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23日目 ~正午、遺跡、内通者~ (後編)



 それじゃ、まずは北に向かうか。Jauffre(ジョフリ)にMythic dawn(神話の暁)のアジトが分かったことを伝えてやらんとな。その後はCheydinhal(チェイディンハル)か。






「というわけで、また出かけることになった」

「はいはい、ちょっと待ちなさい。また開口第一声がそれじゃ、何が何だか伝わらないんだけど?」



 なんだよ、いちいち説明するのが面倒くさいんだよ。


「Ayleid(アイレイド)遺跡の調査メンバーになったから、ちょっくらCheydinhal(チェイディンハル)まで行ってくる。これで良いか?」

「あら、Ayleid(アイレイド)遺跡の調査プロジェクトってまだあったの? 確かIrlav(アーラヴ)が担当していたと思ったけど最近話を聞かないから、とっくに止めたんだと思っていたわ。へぇ、貴方がAyleid(アイレイド)遺跡の調査ねぇ?」

「何だよ、何か言いたいことでもあるのか?」

「いいえ、よくそこまで成長したと感心していたのよ。あ、そうそう。1つ良いことを教えてあげるわ。Ayleid(アイレイド)の遺跡は泥棒避けのために、いくつかのトラップがあるみたいよ」

「トラップ?」

「そう。泥棒を痛めつける罠や、離れたところにあるボタンを押さないと開かない扉とかね」



 たしかこれから行くVahtacen(ヴァタセン)も、通路が塞がれて進めないとか言う話だったな。それも何らかのトラップなんだろうか?






「忠告ありがとうよ。それじゃちょっくら行ってくるわ」

「はいはい、お土産よろしくね」

「その前に入学祝いを貰いたいところだがな」






 よし、それじゃまずはCloud Ruler Temple(クラウドルーラー神殿)だな。あの山まで行くことになるわけだが……今日中に着けるかな?





 馬に乗ってるから大丈夫か。自分の足で走るよりも早く進めるしな。





 ところで、ここから先の道は通ったことがなかったな。以前Bruma(ブルーマ)に行ったときは、Chorrol(コロル)からまっすぐ進んでいったからな。





 お、早速何か見えてきたぞ。古い砦のようだな。





 中をチラッと覗いてみたが、野盗もモンスターも居なかった。平和なもんだな。





 道なりに進んでいくと、今度は集落らしき建物が見えてきた。





 ここも特に何もなさそうだ。





 ぐるりと回って、Imperial City(インペリアル・シティ)の北側までやってきた。眼下には湖と、さっきのとは別の古い砦が見える。なかなか良い景色だな。湖がまるで鏡のようだ。





 おっと、よそ見していたら前方にオオカミが現れた。まだ向こうはこっちに気づいてないようだが、このまま進めば襲ってきそうだ。





 それなら、やられる前にやればいいじゃない。





 よし、お掃除完了。しかし本当に良い天気だな……。





 良い天気……あれ? どういうこと?





 おいおい、この空模様ってOblivion Gate(オブリビオン・ゲート)のそばを通るときによくなっていたけど……この近くにゲートがあるってこと? 一体どこに……。





 あ、あんなところにあった。山の斜面に隠れて見えなかったが、結構近い位置にあるじゃないか。位置的にあの前を通らなきゃ進めないようだけれど……待てよ?





 この道は、あのゲートの前を通った後、大きく右に曲がりながら下ってるようだな。





 だったらこの斜面を駆け下りればいいじゃない……って、何か居るー。





 おらっ、オオカミごときが邪魔すんじゃねぇよ! って、馬にまで引火したー。





 すまんすまん、熱かったか? 炎だもん、熱くて当然か。ホントすまん。





 よしよし。それじゃ引き続きBruma(ブルーマ)の方へ向かうとしようか。あ、そこの人。この先にOblivion Gate(オブリビオン・ゲート)あるから気をつけてな。





 ここらあたりからは、ずっと上り坂が続くな。Bruma(ブルーマ)は標高高いところにある街だし、その先のCloud Ruler Temple(クラウドルーラー神殿)は更に高い山の上に建ってるから、まだまだ上ることになりそうだ。





 えーっと、このあたりは……。ああ、前にBruma(ブルーマ)に行くときに近道したことがあったが、あの時に近道をしなかったらここに繋がっていたんだな。そうかそうか……ん? 何か動いた……。





 まーたーくーまーだーーー!!





 おおおおお。逃げるぞ逃げるぞ、全力で逃げるぞ。ここは逃げの一手だ。Bruma(ブルーマ)の近くに行けば、誰か手助けしてくれる人が居るだろう。そこまで逃げるぞぉ!





 見えた! って、戦士1人だけか! これはキツイかもしれん……あ、あの戦士こっちに気づいてやる気満々だ。おい待て、もう少し人手を用意して……。





 うわぁ、無謀にも1人で戦い始めちゃったよ。仕方ない、本当はもっと人手が欲しかったんだが、ここで何とか仕留めるか。人手不足は、Flame Atronach(炎のアトロナック)で補うとして。





 あ、困った。やたら動き回って照準を定めづらい。適当にWeak Fireball(ファイアボール)の範囲攻撃やったら、あの戦士も巻き込んじゃいそうだしな……。というか、そろそろ戦士もやばくなってきてないか?





 よし、ここは回復役に徹するか。あんまり回復魔法は得意じゃないが、何もしないで居るよりはマシだろう。





 あ、クマの野郎、逃げ出しやがった。手負いの獣は放っておくと厄介だぞ。どうする、追うか?





 追うんだな、よし分かった。って、クマの野郎、さすがに足が速いな。追いつけるか?





 足が速いとはいえ、逃げた先がBruma(ブルーマ)の門の前。普段はしっかり閉じられているから、ちょうどここは袋小路になっている。袋のネズミならぬ、袋のクマと言ったところだな。しかも新たに付近に居たガードや冒険者も加勢に加わってくれている。





 この様子じゃウチが手を出すまでもない……あ、死んだ。手負いだったところに新たに加勢してくれたら、そりゃクマといえども適わんか。






「お怪我はありませんか、お嬢さん」



 お嬢さん? あ、ウチのことか。うん、大丈夫大丈夫。


「各地でOblivion Gate(オブリビオン・ゲート)が開いているという噂を耳にします。旅の際はくれぐれもお気をつけて」







「お元気で」



 顔も見えないほどの重層鎧で身を固めた彼(たぶん男)は、非正規のガードだという。軍に所属せず、自警団のような形でBruma(ブルーマ)近郊を警備しているのだとか。さっきの戦士も同じ仲間なのかな?





 おっといけね、また馬を置いてけぼりにしていたよ。





 ちゃんと厩舎に……安心して任せられる厩舎に預けておこう。Imperial City(インペリアル・シティ)の厩舎は何やら怪しいところだったが、ここBruma(ブルーマ)の厩舎は大丈夫かな?





 あれ、アンタさっきクマ退治に参加していた人だよな? 冒険者かと思ったが、どうやらここで働いてる一般人だったようだ。あ、さっきはどうもね。馬を預けたいんだけど大丈夫?





 うん、話した限りでは悪い人ではなさそうだった。ここなら預けておいても大丈夫かな。





 Bruma(ブルーマ)の門の前では、さっきの全身鎧の男が戦士とクマの処分方法について話していた。死体とはいえ、門の前にクマが転がっていたら、普通の人はビビるだろうしな。





 Bruma(ブルーマ)のMages Guild(メイジギルド)にちょいと立ち寄る。





 おいすー。みんな元気ー?





 支部長のJeanne(ジーンヌ)も、Selena(セレーナ)も元気そうで何より。男子組は地下かな? それじゃウチに荷物整理にちょいと地下にお邪魔するか。





 Volanaro(ヴォウラナロ)はまた何かいたずらを考えているらしかった。もう1人のJ'skar(ジ=スカール)は……いたいた。


「よう、元気?」

「ああ、貴方ですか。この間はちゃんと服を返してくれたようで感謝しています」



 返した服っていうのは、以前ここで拝借したメイド服のことだ。一度着てみたが、J'skar(ジ=スカール)が返せ返せと泣いてすがるので、仕方なく返したやつだ。


「あれってそんなに大事な品だったの?」

「ええ。新品だったのですが、貴方が着てしまった事で……」

「あ、すまん」







「"若い女の子の着古し"というステータスが付いたことで、友人たちに大人気です」



 ・・・・・。





 運が良かったなJ'skar(ジ=スカール)。もし"若い"女の子の着古しじゃなく、女の子の着古しと言っていたら容赦しなかったところだったぞ。





 冗談はさておき、Bruma(ブルーマ)から北に進めばすぐにCloud Ruler Temple(クラウドルーラー神殿)が見えてくる。何とか日没前にはたどり着いたな。





 おうおう、警備だけじゃ体がなまるもんな。そうやって日々鍛錬するのが重要だぞ。





 建物の中に入ってJauffre(ジョフリ)を探そうとしたら、すぐそこに居た。何だ、待ち構えていたのか?


「見張りから連絡があってな。君を待っていたのだよ」

「そうかい……そういやBaurus(バウルス)は来てるかい? Imperial City(インペリアル・シティ)で別れたっきりだったけど」







「ああ、戻ってきている。Baurus(バウルス)が居てくれて心強い。彼ときたら昼夜を問わずMartin(マーティン)を警護している。それがUriel(ユリエル)皇帝の死に対する彼なりの償いなのだろう」



 一時は死に急いでいるようにも見えたがな。生きる目的を見つけてくれたようで何より。


「Baurus(バウルス)から報告は受けている。Mythic dawn(神話の暁)についてもだ。ヤツらの本拠地の位置は掴めたのか?」



 ウチは『解説書』に隠されたメッセージ、Green Emperor Way(グリーンエンペラーウェイ)で見つけた地図と印、そしてCheydinhal(チェイディンハル)の北にある湖の洞窟について説明した。


「Cheydinhal(チェイディンハル)か、分かった。……せっかくここまで来たんだ、Martin(マーティン)やBaurus(バウルス)に顔を見せてきたらどうかね」



 そうだな、そうさせてもらおうかな。





 お、居た居た。なんだ、Martin(マーティン)は読書中か? Baurus(バウルス)は、一番最初に見たときと同じ鎧姿になっている。


「おう、無事か?」

「お互いにな」







「Imperial City(インペリアル・シティ)で助けてくれた礼がまだだったな。君があの時いなかったら、無事ここに帰ることはできなかったろう」



 ああ、下水道で信者と戦ったときのことか。あの時はお前さんが死亡フラグ発言していたからな、必死だったさ。


「Mythic dawn(神話の暁)の件はすでに?」

「ああ、さっきJauffre(ジョフリ)に伝えてきた」







「そうか。せっかくだからゆっくりしていくといい。Talos(タロス)のお導きがあらん事を」

「おう。……で、Martin(マーティン)はずっと読書中かい?」

「どうもこちらに着いてからは、ずっとこの様子らしい」

「ふーん……あ、この間面白いもの手に入れてさ。こいつなんだけど……」



 面白いものってのは、昨日Meridia(メリディア)から貰ったあの指輪。ウチが懐から出すと、Martin(マーティン)が激しく反応したようだ。


「それはRing of Khajiiti(カジートの指輪)! Meridia(メリディア)のDaedric Artifact(ディードラのアーティファクト)をなぜ貴方が!?」

「な……どうした、いきなり?」

「あ、いや……失礼した。まさか貴方がすでにDaedric Artifact(ディードラのアーティファクト)を手にしていたとは思いもしなかったので」



 ・・・・・? Martin(マーティン)の話し方ってこんなんだったっけ? もっとこう……弱弱しくて、か弱い女の子のような……あ、そういや女装もしてないし。いや、それよりも。


「すでに、ってどういう意味? というか、やけに詳しいみたいだけど……」



 しばしの沈黙の後、Martin(マーティン)が答えた。






「私は昔から僧侶だったわけではない。昔は自分の境遇が嫌になって教会から飛び出したこともあった。人を惑わすDaedra(ディードラ)の魔法は十二分に知っている。それ以上は聞かないでくれ」



 昔の境遇というと、理由も分からず女装をさせられていたことか。まぁ普通は嫌になるわな。Martin(マーティン)の話し振りからすると、教会を飛び出してDaedra(ディードラ)信仰に走っていたってことかな?


「とりあえず一つだけ聞かせろ。その喋り方はなんだ?」

「・・・・・。貴方が、おっしゃったんでしょう? 強気で行けと。あれから意識的に口調を変えるよう努力しているんです」

「……ああ、ここに来たときの演説の話ね。何だ、そんなのまだ覚えていたの?」

「そ、そんなの!? 私があれからどれだけ……いや、もういいです」



 なんだ、拗ねちゃったのか? Martin(マーティン)は再び読書に戻ってしまった……ううん、可愛いヤツめ。






「ああ、良かった。まだ居てくれたか」



 Baurus(バウルス)と世間話をしていたらJauffre(ジョフリ)がやってきた。何だ、ウチに用でもあるのか?


「今現在、我々は部隊を2つに分けているところだ。戦闘部隊がここでMartin(マーティン)の警護。諜報部隊が各地で情報を集めている」

「諜報部隊?」



 Imperial City(インペリアル・シティ)近くのAyleid(アイレイド)遺跡で、それっぽいのに出会ったのを思い出した。あれらが諜報部隊なんだろうか。


「各部隊がそれぞれの任務についており、またMythic dawn(神話の暁)の襲撃を受けたせいで、人員に余裕が無いのが実情だ」



 皇帝暗殺の時と、Weynon Priory(ウェイノン修道院)での襲撃の件か。ウチが知らないだけで他にもあるのかもしれないが、最低でも4人は殺られている形だな……って、この話の流れから察するに。


「ぜひとも君の協力をお願いしたい」







「……Baurus(バウルス)は?」

「私はMartin(マーティン)の側が居場所だ」

「……他に動けるBlades(ブレイド)はいないのか?」

「残念ながら」



 やれやれ。Ayleid(アイレイド)遺跡の調査場所もCheydinhal(チェイディンハル)だったときから、何か嫌な予感はしていたんだよな。


「……いっそのことMartin(マーティン)が」







「何かご用ですか」



 いや、なんでもない。というかお前まだ拗ねてるのかよ……。


「よし、条件がある」

「やってくれるのか? 我々で出来ることなら何でもしよう」



 そうか、それじゃあ遠慮なく。


「今晩泊めてくれ」






 ウチの言葉を聴いたとき、Jauffre(ジョフリ)は目を丸くし、Baurus(バウルス)は吹き出し、Martin(マーティン)は拗ねたまま読書を続けていた。まさに三者三様。

 Jauffre(ジョフリ)のはからいで、協力する代わりにBlades(ブレイド)の施設や物資を自由に使わせてもらうことになった。とはいえ、ここで雑魚寝するのは嫌だなぁ……なに、贅沢だって? 協力してやるんだから、好きに使わせてもらうさ。






「こんばんは」



 あ、ども。






「私はCaptain Steffan(ステファン隊長)、皇帝の間の警護にあたっております」

「皇帝の間?」

「はい、本来Uriel(ユリエル)皇帝をお迎えするはずだったお部屋です。立ち入りはご遠慮願います」

「そう? ウチはJauffre(ジョフリ)に"Blades(ブレイド)の施設や物資を自由に使ってもいい"って言われてるんだけど?」

「……話は伺っております。貴方のご判断にお任せします」



 そう。それじゃ失礼して。


「あ、そちらは……」






 ここが皇帝の間? 名前の割に……その、しみったれた部屋だな。


「そちらは控えの間でございます。今はJauffre(ジョフリ)様が使われております」



 そりゃそうか。これが皇帝の間だったら、すごい名前負けだもんな。


「皇帝の間はこちら側でございます」






 うん、こういう場所で絢爛豪華な寝所だとかえってアンバランスだもんな。これぐらいが丁度いいんじゃないかな。





 壁には絵画がかけられている。この塔からして、Imperial City(インペリアル・シティ)のどこからしいな。





 ベッドの側にかけられた絵画は、どこかの教会のようだ。

 ふーん。まぁこんばんはここにお邪魔するとして。もうすこしぶらつくか。





 一通り神殿内を見て回ったところでJauffre(ジョフリ)に出会った。


「なぁ、自由に使えって事は、どこで寝ても良いんだろ?」

「それは構わん」



 そうかそうか。それじゃMartin(マーティン)を追い出して皇帝の間で寝てもいいってことだな。






「ところで、君にも一応伝えておこう。Blades(ブレイド)内部のスパイが判明した」

「お、そういえばそんな話もあったな。もう捕まえたの?」

「……すでに死んでいる。Weynon Priory(ウェイノン修道院)のPrior Maborel(マボレル院長)がスパイだった」



 何だと? Prior Maborel(マボレル院長)が? けど彼はMythic dawn(神話の暁)に殺されたはずだろ?


「信じがたいことではあるが、事実だ。Weynon Priory(ウェイノン修道院)の小間使いでEronor(エロノア)という男が、館内に隠されていたPrior Maborel(マボレル院長)の日記を発見した。その中にスパイになった経緯と後悔が記されていた」






 つくづくウチは、こちらの世界について疎いことが思い知らされたよ。この世界、特にCyrodiil(シロディール)においてDaedra(ディードラ)信仰がどれだけ爪弾きにされているか。

 皇帝と各都市の伯爵は敬虔なNine(ナイン)信仰であることを求められており、その中でもBlades(ブレイド)は皇帝の直属の組織だ。普段からTalos(タロス)を信仰しているようだしな。そんなBlades(ブレイド)が反Daedra(ディードラ)信仰の先鋒とも居える存在だったとしてもおかしくはない。

 発端はWeynon Priory(ウェイノン修道院)の院長選出の時だ。Prior Maborel(マボレル院長)と別の対抗馬のどちらかが選ばれるという時に、彼の妹がDaedra(ディードラ)信仰に身をやつしているという噂が流れたらしい。対抗馬がその噂の事実を掴もうとしたところを、Prior Maborel(マボレル院長)の"協力者"が阻止したのだという。その結果、無事に院長に選出されたPrior Maborel(マボレル院長)と、その"協力者"との関係は深いものになったのだとか。





 その"協力者"がMythic dawn(神話の暁)だと知ったのは、皇帝暗殺の後だったようだ。彼の日記の中に、身内がDaedra(ディードラ)信仰などということとは比べ物にならない失態を犯してしまった、という一説があったことから、Prior Maborel(マボレル院長)がスパイだと判明したようだ。それはおそらく、皇帝暗殺に関わるような情報、おそらく緊急時の脱出ルートに相当するような情報を意図せず話していたということだろうか。

 日記の最後には、Mythic dawn(神話の暁)と手を切るような旨の記述で終わっていた。日付はWeynon Priory(ウェイノン修道院)襲撃の前日。その後の彼がどうなったのかは、ウチがこの目で見ている。


「はぁ、やれやれ。酒でも飲まないとやってられんわ」







「ふぅ、ごちそうさん。ちょいと飲みすぎたかな」

「お、おい。まさかそれ1本空けたのか?」



 ん? 向こうのBlades(ブレイド)がウチに声をかけてきた。


「それはDragon's Fire(竜の火)という酒で、最初は良いが後からドンドン良いが回る強い酒だぞ?」







「なん……らと?」



 あ、いかん、世界が回ってきた。





 うえぇ……足が上手く動かん……あ、スマン。ちょっとベッドまで案内してくれんか?





 あああ世界が回る。視界がぐにゃぐにゃになって何が何だか……あ、ベッド。





 もうだめ。着替える気にもならん。横になってもフラフラで船に乗ってるような感覚だ。





 うぇーっぷ。あの酒が強いのが原因であって、ウチが酒に弱いわけじゃないんだぞ……だぞ……。






「・・・・・」





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ひなみこと

Author:ひなみこと
昔:セクハラ騎士
今:セクハラ(される)魔術士

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