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27日目 ~内偵、拘束、吸血鬼~(前編)



 よし、それじゃ大学に戻って調査結果でも伝えてくるか。

 



「ところで気になったのだけど、あなた一体どれだけたくさんのScroll(スクロール)を持ってきていたの?」

「Scroll(スクロール)?」

「ほら、昨日Dark Fissure Cave(闇の裂け目)でDrain Health(ドレイン:体力)を何回も使っていたじゃない」

「ああ、あれか。実はな」







「……というわけだ」

「そう……Scroll(スクロール)から魔法を習得……ね」

「そゆこと」

「・・・・・」

「ん、どした?」

「え、あ、何でもないわ」














































「おう、待たせたな。欲しがっていたのはこのウロコだろう?」







「By the Nine!(ナインよ!) ウロコを揃えたのか! ありがとう! 捨てる神あれば拾う神あり、とはよく言ったもんだ。代わりにこの指輪をやろう。わしにはもう不要だ。しかし、アンタのような者には非常に役立つだろう」

「へっ、それじゃ貰っていくぜ」

「ありがとう、見知らぬ方よ。アンタがしてくれたことは、一生忘れない」







(くくっ、馬鹿なヤツだ。この指輪を売ったほうがよっぽど良い金になるだろうによ)



「……さて、と。それじゃ荷物を取りに戻る……ん?」







「・・・・・」

「・・・・・」

「……なっ!」







「ちょっと、何で何も着てないのよっ!」

「ああ? 一仕事してたんだ。何か文句あるかい」

「あるわよ! この変態! ド変態!」

「良いねぇ、強気の娘は好きだぜ」

「キャア! バカ! 何大きくしてるのよ!」

「大きく? バカ言っちゃいけねぇ。これはまだ準備運動程度で……」

「おまわりさーん、チカンよー! チカンに襲われるー!!」

「おいおい、人の話を聞けよ」

スタァァアアアアアップ!






「貴様は法を犯した。司法機関に払う金を持ち合わせていないようだな。従って貴様は牢獄で刑に服さなければならない。盗んだ品は没収する」

「待て待て待て。俺はまだ何もやっちゃいねぇぜ?」

「まだ……だと?」

「あ、すまん。それは言葉のアヤってぇヤツだ。おい、ちょっとお前からも説明してやってくれ」

「ワシは知らん。見たことも無いヤツだ」

「てめぇっ!」














































 ただいまー、もどったよー。






「それで、奴らに会ったのか? 祭壇にSoul Gem(ソウル・ジェム)を変化させる何らかの力を吹き込まなければならないのか」

「週に一度な。そのときに祭壇に向かってSoul Trap(ソウル・トラップ)を撃てば良いんだとよ」

「評議会にこの情報を提供しよう。真の問題はこれがただの俗説でないとわかったことだな」

「連中はOrder of the Black Worm(黒蟲会)と名乗ってたわ。規模もリーダーも分からないけれどね」

「ふむ、我々が思っていたよりも大きな規模かもしれないな。君達は立派に仕事を果たしてくれた。評議会を代表して感謝する」

「おうよ……ん、このパターンはもしかすると、また?」







「貴方はもはやConjurer(コンジュラー)ではない。ギルドメンバーたちは、今や君をMagician(マジシャン)として扱うだろう。おめでとう」

「何か正直、トントン拍子すぎて実感が沸かなくなってきたぜ」

「そう? でも出世するのは良いことよ」

「そういうVixen(ヴィクセン)はどうなんだ?」

「私? そうね……確かWarlock(ウォーロック)だったかしら」

「貴方は今回の功績により、Wizard(ウィザード)へと昇格しました」

「……ですって」

「よく分からんが、それってウチより格上ってことか?」

「そうよ。ついでに言うなら、Raminus(ラミナス)たち評議会のメンバーは更に上のMaster-Wizard(マスター・ウィザード)ね」



 ……だそうな。


「オホン。私から与えられる仕事は今回で以上となる。評議会ではこのNecromancer(死霊術師)の問題を集中して解決させるため、Traven(トラーベン)自ら身を乗り出すこととなった。今後の指示はTraven(トラーベン)から仰いでくれ」







「へー」

「評議会でTraven(トラーベン)は君が来るのを待っている。そのポータルから先に進みたまえ」



 だってさ。昇格したと言ってもまだ自由に進めるわけじゃなく、あくまでTraven(トラーベン)が呼んでるから行っても良いんだと。ついでに言うなら、Vixen(ヴィクセン)はウチより格上だから自由に立ち入り出来るんだそうな。






「よいしょ」



 Portal(ポータル)に乗ると一瞬にして風景が変わった。この技術で何とか帰ることが出来ないもんかね……。


「ようこそ。Traven(トラーベン)がお待ちよ」



 ああ、はいはい。評議会で待ち構えていたように女性に話しかけられた。えっと、Traven(トラーベン)はどいつ?


「達者かね。そろそろこうして直に話をすべき頃合だと、アンタは思わんか?」



 青いローブの爺さんが話しかけてきた。






「Raminus(ラミナス)はアンタを高く評価しておる。アンタは異例の速さで昇格を果たし、信頼に足るべき人物であることを周知させた」

「そりゃどうも……えっと爺さんがHannibal Traven(ハンニバル・トラーベン)?」

「ちょっ……あのね、あなたにも分かるように説明してあげるけど、この方はギルドの中でも一番偉い人なのよ?」

「いやいや構わんよ。知るということはそれだけ老いるということだ。ワシが老いているということはそれだけたくさんの事を知ってきたという意味でもある。そうだろう、お嬢さん?」

「そうだな。で、なんでそんなお偉いさんがウチに用があるんだい?」

「ワシはアンタの才能をもっとはっきりと試してみたい。分かりやすく言うなれば、難しい仕事があるということだ」

「仕事の話か。今度は何をやれば良いんだい?」

「大変結構。では我々が直面しとる問題を説明させてくれ」






 Traven(トラーベン)の話をまとめると、Necromancer(死霊術師)達の中に送り込ませた内偵からの連絡が無い。評議会では内偵者が捕まってギルドの情報を喋られる前に始末しようとしている。Traven(トラーベン)もしぶしぶ同意したが、やっぱり内偵者を助け出したい。ということのようだ。

 その内偵――Mucianus Allias(ムシアヌス・アリアス)なる人物からの最後の報告では、Imperial City(インペリアル・シティ)の南にあるNenyond Twyll(ネンヨンド・トウイル)というAyleid(アイレイド)遺跡から送られてきており、評議会のBattle Mage(バトルメイジ)も内偵者を始末しに向かっているのだという。






「急いでくれ。Mucianus(ムシアヌス)は危険にさらされておる」

「あいよ、それじゃちょっくら行ってくるわ」



 なるほど、今までの仕事はどちらかと言うと急かされることのない仕事ばかりだったが、今回は内偵者の捜索&救出というお急ぎの仕事のようだ。敵であるNecromancer(死霊術師)の中から内偵者を見つけ出し、なおかつ味方であるはずのBattle Mage(バトルメイジ)から守らなければならない、と。こいつは億劫な仕事だが、こちらにはVixen(ヴィクセン)も居ることだし、何とかなるだろう。


「私は行かないわよ?」







「またまた、ご冗談を」



 あれだぜ、漫才でもたまにツッコミ担当がボケを言いたくなることもあるけど、あれって結構上手くいかないもんなんだぜ?






「冗談じゃないわよ? 私の仕事はさっきのBlack Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)の調査まででおしまい。それに前にも言ったように、私は戦闘職じゃないわけだからね。こういう危険なお仕事は請けてないのよ」

「まぁまぁ、そう言わずに……」

「でも薄情な女とは思われたくないからね。遅くなったけど入学祝いも兼ねて、この魔法を教えてあげるわ」







「これは、Summon(サモン召喚)?」

「Summon Clannfear(サモン・クランフィア)。Daedra(ディードラ)であるClannfear(クランフィア)を召喚して使役する魔法よ。」

「ふーん……Clannfear(クランフィア)って何だ?」

「召喚してみたら分かるわよ」



 それもそうだな、どれどれ。





 おお、なんだトカゲか。


「Clannfear(クランフィア)の優れた特徴は、なんと言っても脚の速さでしょうね。生身の人間が走って逃げられるような相手じゃないもの。それに攻撃力もある。あえて欠点としてあげるならば魔法は一切使えないってところかしら」

「なるほど、強襲要員として使う形だな」







「それじゃ遠慮なく貰っていくよ」

「どうぞ。今回の仕事は気をつけなさいよ。今回行く場所もおそらくNecromancer(死霊術師)の巣窟になっているでしょうが、相手を確認せずにいきなり襲い掛かっちゃ駄目よ?」

「なんで?」

「バカね。内偵者を見つけ出すんでしょ? Necromancer(死霊術師)の中に居る内偵者なんだから、格好もNecromancer(死霊術師)と同じ姿をしているんじゃないの?」

「あ、そっか。まだNecromancer(死霊術師)に内偵者がバレてない可能性もあるのか」

「そういうこと。助けに行くはずが間違えて始末したりしないようにね」















































「うむ、やはり思ったとおりだな」

「二刀流……ですか?」

「そうだ。Akaviri(アカヴィリ)の伝記にこうある。―ミヤモモタロウなる者、二刀流に目覚め、悪鬼羅刹の島へ向かう―、とな」







「アッキラセツとは?」

「Dremora(ドレモラ)のことではないかと思われる。おそらくかつてのAkaviri(アカヴィリ)でもOblivion Gate(オブリビオン・ゲート)が現れたことがあるのだろう」

「ではこのカタナは、そのときの?」

「いや、それにしてはこのカタナは新しい。その話を元に作られたのではないだろうか」







(その話、イロイロと間違いがあると思いますが……)














































「この宿から奥に入ったところだな」



 道の側にOblivion Gate(オブリビオン・ゲート)があるという、なんとも物騒なところにある宿屋。中にはたくさんの冒険者がいらっしゃるようで。





 地図でいうとここ。目的地までは道が無いので、草むらをかき分けて進むことに。





 それでは、なんとかという遺跡に向かって出発。すでに丘の向こうにそれっぽい白い構造物が見えてるな。






「ここが入り口かな?」



 入り口にしては目立ちにくいところにあるんだな。これはあれか、長い年月で遺跡自体が土に埋もれてしまったので、見張り台から入っていくみたいな話?


「ここの他にはそれらしい入り口も無かったし、行ってみるか」






 入ってみると、早速誰かが居た。鎧を着込んでいるあたり、内偵者っぽくはないのだが……。


「おおい、あんた誰?」







「私はFithragaer(フィスラゲール)、Battle Mage(バトルメイジ)だ。潜入者を見つけるために評議会から派遣された。お前は一体誰だ?」

「ウチもTraven(トラーベン)に内偵者を探してこいって送り込まれたのさ」



 Traven(トラーベン)が言っていた、内偵者を始末するために送り込まれたBattle Mage(バトルメイジ)ってヤツか。


「評議会はどうかしちまったのか、ここにはお前1人しか送られてきてないのか。内偵者は我らが来ることを喋ったに違いない! 何でもかんでも奴等に話してしまう前になんとかせねばなるまい」



 どうやらウチのことを、増援として送られてきたBattle Mage(バトルメイジ)だと思っているらしい。それはそれでかえって好都合だけれどもな。内偵者のところまでは協力していこうか。


「時間が無い。残党が……我らを待ち構えている。奴等は我らが来ることを知っていたんだ! 生き残ったのは私ひとりだ。Necromancer(死霊術師)たちは奥に退却したが、追跡せねばなるまい。さあ、時間を無駄には出来ない! ついて来い!」






 よし、それじゃ先導は任せた。





 次のフロアには早速Zombie(ゾンビ)がお出ましだ。Fithragaer(フィスラゲール)はScamp(スカンプ)を召喚し、周りに他の敵が居ないか探っている……あっ。


「待て! その床は……」







「罠……だぞ?」



 豪快に競りあがった床によって天井に押しつぶされるFithragaer(フィスラゲール)。召喚されたScamp(スカンプ)が消えたところを見ると、どうやら一発で死亡のようだ。






「使えん奴だな」



 早速活躍の機会に恵まれたClannfear(クランフィア)。タフなZombie(ゾンビ)相手にも十分な出来だ。一方、勇ましくついて来いとか言っていたくせに、敵の罠で即死のBattle Mage(バトルメイジ)。





 あら、死体になっても罠は反応するようだ。なんとも面倒な仕掛けだな。これじゃウチが先に進みにくいじゃないか。






「おう、ちょっとお前あの死体引っ張ってこいや」



 Clannfear(クランフィア)に頼んで、邪魔な死体を動かさせる。


「急いでやれよ。そうじゃないと……」







「・・・・・」



 ほらな。





 仕方ないので、Weak Fireball(ファイアボール)の爆風効果で死体を吹き飛ばした。あの真ん中の床からどかせば、仕掛けは作動しないようだ。






「まったく……それじゃ1人で内偵者を探すとするか」



 ご丁寧にNecromancer(死霊術師)の垂れ幕がかかっているあたり、この遺跡が連中の巣窟であることは間違いないようだ。






「お、誰かいた。おおい、あんたがMucianus(ムシアヌス)さんかい?」






 違った。





 その先に居た連中も違ったので。





 サクサク進んでいくことに。





 おおっと、また誰か居るけど……。





 他のNecromancer(死霊術師)とは明らかに違う格好。彼女がMucianus(ムシアヌス)? というかMucianus(ムシアヌス)って男だっけ、女だっけ?


「あんたがMucianus(ムシアヌス)かい?」







「がっかりさせるようで申し訳ありませんが、Mucianus(ムシアヌス)様は出られるような状態ではございませんね」



 なんだ、また違った……。


「彼は今や妖蟲の奴隷であり、ここで満ち足りているようですよ」

「なに……ということは内偵者はやはり裏切っていたのか」

「冷酷な宿命でしょうけど、Order of the Black Worm(黒蟲会)の邪魔をした方にはふさわしい重い罰を与えなくてはなりませんわ。マスターにはあなたがMucianus(ムシアヌス)様を探しに来たことを伝えておきましょうね。あなたの首ををマスターの手土産としてね」

「そうかい!」






 延々と御託を並べる悪役なんぞ、ウチのDrain Health(ドレイン:体力)で一撃……。


「なっ、耐えた!?」







「ならもういっちょ!」

「無駄ですわよ。あなたの魔法、Drain Health(ドレイン:体力)では私は倒せませんよ」

「ちっ、何で知ってるんだお前!」

「あなたがOrder of the Black Worm(黒蟲会)の支部をいくつ潰してきたことか。我々もそれ相応の対応をとっていて当然でしょう?」







「そうかい。ご苦労さん」



 ご丁寧にぺらぺら喋ってくれる相手なので、少し泳がせておいた。いくらウチでも、Drain Health(ドレイン:体力)一辺倒なわけじゃないんでね。お喋り女は、Clannfear(クランフィア)の一撃であえなく昇天しました。






 それじゃ以降は例のごとくダイジェストで。


































 

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ひなみこと

Author:ひなみこと
昔:セクハラ騎士
今:セクハラ(される)魔術士

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