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26日目 ~解読、疑惑、同行者~




「よっこらせっくす」



 Martin(マーティン)はまだ本の解読に時間がかかるというので、ウチはVahtacen(ヴァタセン)で見つけた兜を届けに、一度大学に戻ることにした。本の解読で何か分かったら大学へ連絡を入れるように頼んだから、それまでは大学でのお仕事を重点的に進めることになりそうだ。

 そうそう、Vahtacen(ヴァタセン)と言えばもう1つ見つけた物があったんだが……。
 












































「封鎖された遺跡の中から発掘されたとか言っていたな。『カタナのことは任せろ』なんて調子の良いことを言ってみたのは良いが……全く分からん。誰かに聞いてみるか」







「おうBaurus(バウルス)、何か悩み事か?」

「実は……知人に業物(わざもの)のカタナの鑑定を依頼されてな。ちょっと調べているところなんだ」

「ほぉー、そうかそうか。それって、寝所にかけられた黒い柄のカタナか?」

「そうなんだ。何か知らないか?」







「おう、さっぱりわからん」

「……頼りにならないな」






「何だ、何の話だ?」

「あ、Jauffre(ジョフリ)……いえ、ちょっとカタナの鑑定を頼まれまして」

「ほう、カタナか。興味深い、どんなカタナだ?」

「寝所にかけてある黒い柄のヤツですよ」







「そうか、ちょっと見てこよう」

「え、お詳しいんですか?」

「伊達に歳はとっておらんよ」

 












































 あっという間にImperial City(インペリアル・シティ)まで到着。やっぱり馬があると移動が早くて良いね。






「おっす」

「あらおかえり。どうだった、遺跡探索は?」

「もう余裕余裕。ウチにかかれば簡単なもんさ」







「それは頼もしいわね。それで、何か見つかったの?」

「ヘンテコな兜があってさ、これから大学に届けに行くところ」

「へぇ……見つかったのはそれだけ?」

「おう、残念ながら転移の魔法に繋がるようなのはなかったなぁ」

「あらら、それは残念ね」

「まぁ1つ1つ調べていくさ。それじゃまた馬の方よろしく!」







「はいはい、またね」

「おう」






 今日もまたVixen(ヴィクセン)に馬を預けることに。信用ならん厩舎に預ける気にはならんからな。


「あいよ、戻ったよ」

「おかえり、待っていたぞ。調査の報告はすでにSkaleel(スカリール)から連絡を受けている。何か見つけて持ってきたそうだな」



 へぇ、遺跡探索をしたのって一昨日だったのに、もう大学に連絡が来てるんだ。この国の通信技術ってどうなってんのかな? それはともかく、Irlav(アーラヴ)に遺跡で見つけた兜を渡した。






「これは一体……Ayleid(アイレイド)のアーティファクトの一種だろうか?」

「変なデザインの兜に見えるけど?」

「いろいろ調べてみよう。ご苦労様、君の働きには頭が下がるよ。君を送ってきたRaminus(ラミナス)の判断は正しかったようだ」

「他に何かあるかい?」

「いや、今のところ頼むべきことはないな。Raminus(ラミナス)の方が忙しいんじゃないのか? 最近そっちはNecromancer(死霊術師)の件で大変なんだろう?」






 うーん、この話振りからすると、評議会の中でも担当分野によって仕事が違うのかな? Raminus(ラミナス)はNecromancer(死霊術師)の件を、Irlav(アーラヴ)はAyleid(アイレイド)遺跡の調査って感じで。なんだ、それならウチはIrlav(アーラヴ)の方が良かったな。ハゲだけど。






「というわけで一仕事終えてきたぜ」

「ああ、Vahtacen(ヴァタセン)では良くやった。Irlav(アーラヴ)はあの遺跡について送られてきている情報に大いに喜んでいる。君はギルドでかつてより価値ある存在となった。ギルドとしてはこれに報いたい、ゆえにConjurer(コンジュラー)の位階を与えよう」



 またまた昇進。今回は遺跡の遺物を見つけたのが功を奏したのかな? ウチの目的のものは未だに手がかりすらつかめないままだけれども……。


「準備が良ければ、君なら解決できるであろう、難しい状況のものが他にもある」

「お、はいはい別な仕事か? 何か忙しいんだって?」

「Necromancer(死霊術師)の件だ。この問題に対処するため、評議会は少しでも多くの情報を必要としている」



 ふむ、その話はDeetsan(ディートサン)からも聞いたな。Necromancy(死霊術)を禁止にしたせいで、それに詳しい人間も資料もないんだとか。


「大学の書庫では、大した収穫を得られなかった。ギルド員が他の場所を探しているところだが、まだ書庫で得られる情報があると私は思うのだ」

「書庫? ……ああ、あの図書館ね。でも一度調べたんだろう?」

「我々が持つ限られた情報では、事件の全容が全く見えんのだ」







「たとえば、Falcar(ファルカール)が……Necromancer(死霊術師)のカルト集団の一員で判明した男だが……彼がBlack Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)を所持していた理由だ」



 あれか。ウチがあいつのタンスから見つけたやつの話だな。


「ほかのNecromancer(死霊術師)もこのBlack Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)を所持していたとの報告書も幾つか提出されているが、その理由は一切不明だ。使い道すらも」



 うん、ウチが手に入れたBlack Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)も、Necromancer(死霊術師)を倒してぶん捕ったものだしな。


「我々は、Necromancer(死霊術師)を根絶することを優先するあまり、この疑問を見過ごしてきた」

「ふむふむ、なんとなく言いたいことが見えてきたぞ。Necromancy(死霊術)全般について調べるとキリがないから、そのBlack Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)に注視して調べようってことだな?」

「その通り。書庫にいるTar-Meena(ター=ミーナ)を尋ねてくれ。密教の専門家である彼女なら、情報収集に力を貸してくれるはずだ」



 困ったときのTar-Meena(ター=ミーナ)頼り。ウチもMythic dawn(神話の暁)のアジトから持ってきたあの本を、Tar-Meena(ター=ミーナ)に見てもらおうと思っていたぐらいだしな。


「ただ、我々の限られた情報を整理したいばかりに見当違いの質問攻めで、大分彼女を困らせてしまった気もするが……。とにかくBlack Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)について聞いて来てくれたまえ。これの効果か製法について何か知っていれば良いのだが。Black Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)の来歴を調べれば、彼らの中心的人物が突き止められるかもしれない」

「あいよ、それじゃちょっくらTar-Meena(ター=ミーナ)のとこに行ってくるわ」

「いや、待ってくれ。まだ少し話がある」



 なんだ、さあやろうとした矢先に……。


「Vahtacen(ヴァタセン)からの報告によると、何でも君は文字が読めないという話らしいが?」

「あ、うん……まぁ話せば長くなるが結論から言えばそうだな」

「文字が読めないのに書庫で調べることになるが?」

「う……」

「別に責めているわけではない。ただ人には向き不向きがあり、時には協力し合うことで前に進むべきだ。そうは思わないか?」

「まぁそうだけど……結局は何が言いたいの?」

「今回の仕事は同行者が付くことになる。よく協力し合ってくれたまえ」

「同行者? ウチは構わんが……一体誰が?」

「私よ」






 いつの間にかやってきていた女性。ウチの赤い衣装と対照的に、青を基調としたデザイン。この女性が同行者……。


「……って、お前かよ」







「ずいぶんなご挨拶じゃない。私と一緒じゃ不満?」

「いや、不満っつうかなんて言うか……ウチのイメージじゃ、Vixen(ヴィクセン)はいつも橋の上で商売してるHigh Elf(ハイエルフ)って感じだったからさ」

「確かにあそこで商売してるのも仕事のうちだけれど、私はあくまでMages Guild(メイジギルド)の一員よ。ついでに、誤解してるようだから言っておくけど私はHigh Elf(ハイエルフ)じゃなくWood Elf(ウッドエルフ)よ?」

「え、そうなの? あれ、でもElf(エルフ)で魔法使うヤツってみんなHigh Elf(ハイエルフ)なんじゃないの?」







「・・・・・。あなたそれ、根本的に間違ってるわよ。種族として得意不得意はあるけれど、High Elf(ハイエルフ)だって武器を扱うし、Wood Elf(ウッドエルフ)も魔法を使うわよ」

「へぇ、そうだったんだ。知らんかった」

「呆れた。その様子ならOrc(オーク)がElf(エルフ)の一種だってことも知らないんじゃない?」

「えっ、マジで!? Orc(オーク)がElf(エルフ)?」

「……本当に知らなかったのね」

「オホン。そろそろ仕事の方に取り掛かってくれないか?」







「ほら、Vixen(ヴィクセン)がいつまでもウンチク垂れてるからだぞ?」

「どうして私のせいなのよ? そもそもあなたが何も知らないからじゃないの」

「む、それはちょっと失礼じゃないかい?」

「じゃあOrc(オーク)がもともとElf(エルフ)語でなんていう名前だったか答えてみなさいよ」

「・・・・・。さっさとTar-Meena(ター=ミーナ)のとこに行こうぜ」

「やっぱり! 答えられないんじゃない」







「おっす。ちょっと話を聞きたいんだけど……」

「あー、見て。情報が欲しくてここにいるんでしょうけど、自分で見つけてくれないかしら。泥沼の真っ最中よ、耳にタコが出来るくらいNecromancy(死霊術)って聞かされたわ。どいつもこいつもNecromancy(死霊術)、Necromancy(死霊術)って。しまいには私がNecromancer(死霊術師)だって疑うトンチンカンまで出てくる始末。それでもそれが仕事だからNecromancy(死霊術)について調べているわよ。でも時間がなきゃ結果なんか出るわけないでしょう。そうでしょう? それで何、今度はあなたが私の邪魔をするように来たわけ?」



 うわぁ、めっちゃ荒れてるわー。こんな状況で気は進まないが、一応聞くだけ聞いておかないとな。


「ああすまんすまん。忙しいのは分かったから、とりあえず一つだけ……Black Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)についてちょっと聞かせてくれないか?」

「Black Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)? ふーん、今までにない変わった質問ね。やっと私が答えるに値する話だわ! ちょっと考えさせて……」



 ウチの一言が、荒れ模様だったTar-Meena(ター=ミーナ)の興味を引いたようだ。今まで押しかけてきた連中は一体どれだけ見当違いの質問をしてたんだ?


「ああ、そう! Black Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)について書かれている数少ない文書があったわ。きっとそのあたりのどこかにあるはずよ」







「本の名は、『Necromancer's Moon(死霊術師の月)』。文書の出自は分からないけど、君が興味を持っているBlack Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)に関わるもののようよ」

「それは今どこに?」

「ごめんなさい、自分で見つけてもらっていいかしら。あちこちからリクエストがちょっと多すぎて、どこに何の本があるか追えなくなっているの」



 だそうだ。





 というわけでVixen(ヴィクセン)と一緒に本探し。一緒と言っても、ウチは文字が読めないので全体の10割はVixen(ヴィクセン)の仕事に。


「どう?」

「うーん……無いわね」

「あの紫の本、めっちゃ怪しいんだけど違う?」

「違うわね。他を探しましょう」







「本ってここにあるのが全部?」

「2階にもあるわよ。ここにあるのは本の一部よ」

「・・・・・。本だけに本の一部……」

「……そしてここにも無い」

「じゃあ次は2階だな。頑張って」

「そうね……あら、ちょっと待って」







「あったわ、この本がNecromancer's Moon(死霊術師の月)だわ」

「これが?」



 テーブルに置かれた1冊の本。Vixen(ヴィクセン)が言うには、これがNecromancer's Moon(死霊術師の月)だという。


「ええ。ちょっと中を見てみるわね……」

「任せた」



 Vixen(ヴィクセン)が本を読んでいる間、ウチは暇をもてあますことになった。うーん、Tar-Meena(ター=ミーナ)は忙しそうだし……って、本が見つかったことに気づいたTar-Meena(ター=ミーナ)がこっち来た。仕事はどうした?


「ふむ、非常に興味深い文書と思わない? この情報を記そうとしたNecromancer(死霊術師)が一人でもいたことは、我々にとって非常に幸運なことね」

「そうね。……ねぇ、ちょっとこの一節ってどう思う?」

「どれどれ……ふむ、あまり聞いたことがない言葉ですね」

「とりあえず、ウチにも分かるように説明してくれ」







「この本にある『死から戻りし者の影』というのはよくわからない。こんな不道徳な技に手を出すような真似はしたことないからね」

「よく分からん。何がどうなってんの?」

「それよりこの本、ちょっと借りて良いかしら? Raminus(ラミナス)にも見せてくるわ」

「ええ、必要なら今のところ持っていっても構わない。評議会に役立つかもしれない。ただ、また私が使う時があるから、早く返却するように伝えてね」







「・・・・・。いや、2人で分かったような振りしてないで、ウチにも教えておくれよ」

「ああ、はいはい。ええと分かりやすく言うと、この本に書かれていたことは大きく分けて2つ。1つはNecromancer(死霊術師)としての行動指針。もう1つがBlack Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)についてね」

「ふむふむ」

「噛み砕いて言うなら、Necromancer(死霊術師)たちが崇めてる神様に極大サイズのSoul Gem(ソウル・ジェム)を捧げれば、そのSoul Gem(ソウル・ジェム)は人の魂を捕らえることが出来るようになるということ。それがBlack Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)のことを指しているようね」

「Soul Gem(ソウル・ジェム)を使って人の魂を捕らえようなどとは……Traven(トラーベン)がNecromancy(死霊術)を禁止にしたのは正解のようね」

「全くだわ」

「ふーん」



 普通のSoul Gem(ソウル・ジェム)じゃ人間の魂は捕らえられないのか……あれ? 前にもどこかで聞いたことあったような……ま、いっか。とにかくBlack Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)について少し分かったから、この本を持ってRaminus(ラミナス)のところに行こう。






「う~む。『死から戻りし者の影』など聞いたことがない。神聖なる現象の一種だろうか? もしそうだとしたらBothiel(ボシエル)が何か知っているかもしれない」

「その人はどこに?」






 目の前に居た。というか既にVixen(ヴィクセン)が尋ねていたし。






「死から戻りし者、と言いましたね? そしてそれが天空の何かを現していると? 聞いたことがある。ちょっと考えさせてください……」

「天空の何か?」

「そう、あの本に書いてあったのよ。神様が降りてくるみたいな比喩かしらね」

「ああ、そうだ! 思い出しました! しばらく前にFalcar(ファルカール)がここに来て、そんなことを聞いていったのです。研究のためだとか」

「Falcar(ファルカール)が?」

「ええ……彼がNecromancer(死霊術師)の一員だと判明する前でしたが。それらについてのノートの束を持ち歩いていました。彼にした以上のアドバイスは出来ないと思いますが……ただ彼はこれを残していきました。ノートから落ちたんだと思います」






 うん、読めないけど書き殴った文字だってのは何となくわかる。Falcar(ファルカール)のメモをゲット。






「汚い字ね……ええと、どこかの地名かしら? いくつか並んだ後に、『祭壇は甦っている、空を見上げよ、週に一度神の光に満ちた恩恵を賜るだろう』ですって」

「その光がさっきの、死から戻りし者の影?」

「たぶんね」







「なるほど。それで、Falcar(ファルカール)もこの死から戻りし者に興味を示して、このノートを残したと、そうだね? さらなる手がかりを得るための調査をすべきだろう。これにはいくつかの場所がリストになっている。最初は『Dark Fissure Cave(闇の裂け目)』で、ここは知ってる。Cheydinhal(チェイディンハル)の南にある山の洞窟だ。具体的に言うと、君が行ってもらったVahtacen(ヴァタセン)の川を挟んだ反対側の山中だ」

「ほう……またCheydinhal(チェイディンハル)か」

「ノートにあるように祭壇が本当にあるのなら、その洞窟は本の中身と直接関係していると思う。Dark Fissure Cave(闇の裂け目)に向かい、今まで調べたこととの関連があるか調査して、報告してくれ」

「あいよ、んじゃ言ってくるわ」







「って、ずいぶん用意が良いな。ここ、大学から出てすぐだぞ?」

「あなたに馬の世話を頼まれたからね。出来る限り近いところに繋いでいたのよ」

「そうかい、んじゃ早速向かうとしようか」
 














































「なんだ、せっかくここまで来たってぇのに……留守じゃ仕方ねぇな」







「戻ってくるまでブラブラしてるか」

 














































「まさかあんなところを通るとは思わなかったわ」

「ああ、あの浅瀬か? ほれ、最初に言われて真珠取りしたことあったろ? あの時に見つけたんだよ」







「ところで、店のほうは良いのか?」

「大丈夫よ。特に盗られて困るようなものは残してないし」

「うん……というか、書庫での調べ物は済んだんだから、別にVixen(ヴィクセン)までCheydinhal(チェイディンハル)へついてこなくても良かったんじゃないか?」

「ついでよ、ついで」







「まぁ言ってる間に着いちまったから、今更どうこう言うわけじゃないけどさ」



 またここの厩舎に馬を預ける。





 そしてまたMages Guild(メイジギルド)に寄っていく。ここにはBlack Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)について調べていたやつがいるので、せっかくだからちょいと教えといてやろうと思ってな。






「おいす。ご無沙汰」







「え……昨日ここを出立したばかりではなかったでしたか?」

「彼女の冗談を真面目に受け取ったら駄目よ」

「そういうこと」

「あなたが言うセリフじゃないわよ、それ」

「は、はぁ……。で、今日は一体?」

「そうそう、Black Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)のことなんだけど……」






 Deetsan(ディートサン)にBlack Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)について分かったことを教える。とはいえ、まだ途中段階だけれどもな。






 Black Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)について現在まで判明している事。

特徴
 今までのSoul Gem(ソウル・ジェム)では出来なかった、人間の魂を捕らえることが出来る

製法(途中段階)
 極大サイズのSoul Gem(ソウル・ジェム)を用意する
 各地にある祭壇に向かう
 週に一度、神の光の恩恵を受ける
  (以降調査中)





 説明のほとんどはVixen(ヴィクセン)が話していたのはきっと気のせいだ。


「そこまで既に分かっているのでしたら、私が今から調べても仕方のないことですね。これはお返ししましょう」






 そう言ってDeetsan(ディートサン)が差し出したのは、ウチが渡していたBlack Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)。


「あれ、もういいの?」

「ええ。続きが分かったら教えてくださいね」






 よし、用事も済んだことだしDark Fissure Cave(闇の裂け目)に向かおうか。





 前回同様、Cheydinhal(チェイディンハル)の南にある集落へと向かう。





 ここの住人ならDark Fissure Cave(闇の裂け目)の詳しい位置も知っているだろう。





 集落の人の話によると、Vahtacen(ヴァタセン)の川を挟んで山を登ったところにあるということだ。山といっても道は無いそうなので、適当な斜面を登っていくことになりそうだ。





 それじゃ川のほうへ降りていこうか。


「ねぇ……あれって何?」







「あれって……ああ、Oblivion Gate(オブリビオン・ゲート)だよ」

「へぇ……話には聞いていたけれど、あれがそうなの」







「あのゲートからDaedra(ディードラ)たちが頻繁に現れるんだよ」

「それは厄介ね」






 そんなこんなで川まで降りてきた。目的のDark Fissure Cave(闇の裂け目)は、あの山の上らしいな。





 それじゃ山登りだ、頑張んべー。





 山登り中。どっちかって言うと山登りより崖登りって表現が正しいかな。真面目に道らしい道も無いし。





 足場の悪い崖を登ることしばらくして、何か人工の構造物らしきものが見えてきたな。






「ふむ、これが祭壇か?」

「そうみたいね。すぐそこに洞窟があるけど、そこがDark Fissure Cave(闇の裂け目)かしら」

「うーん、祭壇の周りにはこれといったのは無いが……おっ?」

「何か見つけた?」

「引き出しがあった……けど何にも入ってないわ」

「あらそう。それじゃ何かあるのは洞窟の中かしらね」

「行ってみるか」






 それじゃ洞窟の中に失礼して……おおっと、誰かいたぞ?


「誰だ?」

「ちぃーっす、Mages Guild(メイジギルド)から税金の取立てに来ました」

「何で税金の取立てなのよ……というか、この状況で素性バラすって何考えてるの!?」







「Mages Guild(メイジギルド)だと? お前は我々を止めることなど出来ない。Order of the Black Worm(黒蟲会)の者達がその進路の中で全てを喰らい尽くすであろう」

「Order of the Black Worm(黒蟲会)?」



 どうやらそいつらがNecromancer(死霊術師)の集まりらしい……おっと、もう戦闘態勢ですか。もう少し話を聞きたかったんだけれども。





 戦うっていうんなら容赦しないぜ?






「ずいぶんアッサリ倒したわね。それより今何の魔法を使ったの?」

「ん? Drain Health(ドレイン:体力)だけど?」

「Drain Health(ドレイン:体力)!? あ、そうか、Scroll(スクロール)を使ったのね」

「……まぁScroll(スクロール)を使ったといえば使ったんだが……ん、こいつ何か持ってるな」







「メモね。なになに……」



――汝らの極大のSoul Gem(ソウル・ジェム)を祭壇の供物とし
――神の祝福を祈りながらSoul Trap(ソウル・トラップ)を祭壇に撃ち込みたまえ
――さすればSoul Gem(ソウル・ジェム)は神の力が宿ったものに変容するであろう



「Black Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)の作り方っぽいな」

「そのようね。これにFalcar(ファルカール)のメモの内容も加えるなら、週に一度のみBlack Soul Gem(ブラック・ソウルジェム)を作る機会があるということになるわ」

「なるほど。でも検証するのは面倒だな。週に一度が今日なのか昨日なのか分からんものをいつまでも待つ気なんか無いぜ」

「そのあたりは評議会にやってもらいましょ。それにNecromancer(死霊術師)の組織名も分かったしね」

「わざわざ自分から教えてくれるんだからありがたいヤツだったな」



 さて、目的は既に達せられたわけなんだが……ところでこの洞窟ってどこまで続いてるんだろうな?


「……何? 戻るんじゃないの?」

「折角だからこの洞窟の探索もしていこうぜ」

「ちょ、やめてよ。ここって明らかにNecromancer(死霊術師)の巣窟じゃない。私ってあなたと違って戦闘向きじゃないのよ?」

「大丈夫大丈夫」



 というわけで洞窟探索をダイジェストで。







































 以上、ダイジェストでお送りいたしました。






「ここで最後だな」



 Vixen(ヴィクセン)言っていた通り、Necromancer(死霊術師)が至るところに居た巣窟だったな。でもそれも既に過去のお話。全部片付けちゃったもんね。





 というわけで松明に着火。


「えっ?」

「えっ、何?」







「あなた……Night Eye(ナイトアイ)の魔法使っていなかったの?」

「Night Eye(ナイトアイ)?」

「まさか知らない……みたいね。暗視の魔法で暗闇でも見通せる効果なんだけれど……もしかして今まで暗いまま戦っていたの?」

「うん」

「あきれた。その調子じゃ敵味方関係なく倒してしまいそうね」

「ああ、それならしょっちゅうやってる。前までは召喚したZombie(ゾンビ)に魔法を誤射しまくっていたけど、今じゃ誤射しても大丈夫なようにFlame Atronach(炎のアトロナック)に代えたから大丈夫!」

「・・・・・。もういい、何も言わないでおくわ」

「そうか」






 洞窟の中を探索してみたが、Necromancer(死霊術師)がたくさん居た以外はこれといった物はなし。入り口に居たアイツだけがまともな情報源だったな。






「さ、終わった終わった。帰るべ」

「今から大学まで戻るのには時間が遅すぎるわね。既に日が暮れかけているもの」







「そうだな。それじゃまたCheydinhal(チェイディンハル)に寄ってくか」

「そうしましょ」






 帰り道ではまたOblivion Gate(オブリビオン・ゲート)の前にDaedra(ディードラ)がいたのでサクサク退治してきた。


「Vixen(ヴィクセン)じゃない、どうしてここに?」

「ん、知り合いか?」







「あ、ええ……ゴメン、詳しい話はまた後でね」



 後半はウチじゃなく相手に向けた言葉だった。

「何だ、知り合いなら別に話してても良かったんだぜ?」







「良いのよ、どうせ長話になるんだし。それより今日はここで休むの?」

「おう、Cheydinhal(チェイディンハル)のMages Guild(メイジギルド)は空きベッドがたくさんあるからな」







「そう。それじゃ私も後でここで休むわ。あなたはもう休むの?」

「おうよ」






 というわけで一足先にお休みー……え、Vixen(ヴィクセン)? 何かさっきの知り合いと話があるみたいだったぜ。
 














































「ゴメン、待った?」

「それは良いけれど……どういうこと? あなたの持ち場はImperial City(インペリアル・シティ)でしょ?」

「それどころじゃないわよ。Mythic dawn(神話の暁)のアジトがBlades(ブレイド)に狙われたって話!」







「……わかってる、リーダーのことでしょ? 大丈夫、信者の死体の中に白ヒゲの男は居なかったって話だから」

「本当!?」

「ええ、難は逃れたみたいね。ただ分かってるのはそこまでで、リーダーがアジトからどこに行ったのかまったく分からないの。一番近い私のところに来てないから、人通りの多い街中は避けているのかもしれないわね」

「そう……でも最初から心配する必要は無かったのよね。リーダーってかなり腕が立つし、それに何より……」






「あの斧を持ってる限り、リーダーがBlades(ブレイド)なんかに負けることないしね」


 

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ひなみこと

Author:ひなみこと
昔:セクハラ騎士
今:セクハラ(される)魔術士

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