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20日目 ~再会、神話、死霊術~ (前編)



 うむ、いかんな。最近早起きばかりしていたせいか、早くも目が覚めてしまったぞ。まだ寝足りないが、二度寝するのもなんだし、さっさと杖作りを済ませることにしようか。




 Market District(商業地区)とPrison District(刑務所地区)を結ぶ橋から脇にそれる。かつてImperial Prison Sewer(帝都刑務所下水口)から来た道を逆に向かっているわけだ。そういやあれから結構経ったな。





 湖まで下りると、昨日と同じく浅瀬を通って湖を越える。





 対岸にはAyleid(アイレイド)の遺跡がある。これもかつてImperial Prison Sewer(帝都刑務所下水口)を出たときに見た事のあるものだったが……誰か居るな。そばには死体がゴロゴロ転がっているようだけれど……。






「あら貴女……Jauffre(ジョフリ)の話にあった人ね?」

「……もしかして、Blades(ブレイド)? こんなところで何してんの?」

「ヒミツよ、うふふ。お仕事については話しちゃいけない決まりなのよ」



 どうやらBlades(ブレイド)の1人らしい。Cloud Ruler Temple(クラウドルーラー神殿)では見かけなかったが、任務中であちこち動いていたのならそれも仕方ない。任務というのも大方、盗られたAmulet of Kings(王者のアミュレット)を探しているところだろうな。






「ここに転がってる死体についても黙秘?」

「んー、それぐらいなら話しても大丈夫かな。ちょっとお話を聞きたかったんだけど、言うことを聞いてくれなかったから懲らしめただけよ」

「懲らしめる……ねぇ」



 殺したら話を聞けないっていう野暮な突っ込みは止めておこう。それにしても1人で6人相手にしたのか。Blades(ブレイド)ってのは結構腕が立つんだな。パトロールのガードとどっちが強いかな?

 結局、彼女からはこれといった話は聞けなかったので、その場を後にした。





 湖を渡ってきたので、かなりの時間短縮になったな。およそ湖半周分ってところか。このまま道なりに南下していけばすぐだな。





 今の時間としては日が昇り始めた頃か。朝焼けがまぶしいな……ん? 何か見えるが、逆光でよくわからん……ああ、こっち向かってくる姿で分かった。オオカミだな。





 はい、おしまい。今更オオカミ相手にコメントするのも面倒になってきたな。今度出会っても、何か特筆すべき話でも起きなかったら無かったことにしようか。





 それにしてもまぶしいな。おかげで丘の上に何があるのかよく分からんな。こんなにまぶしかったら、例えばOblivion Gate(オブリビオン・ゲート)があったとしても分かんないよな、うん。





 なんてことを思っている間に、目的地が見えてきたようだ。





 それじゃさっさと杖作りを終わらせてこようか。ところでこんな朝早くに来ても、担当の人がまだ寝てるかもしれんな。まぁそのときはたたき起こすとするか。





 んー、ちょっと暗いが向こうの明かりのところに誰か居るな。1人は寝てるけど、もう1人は起きてるようだな。そういえば担当者が2名いるとか言われていたっけ。





 ち~っす、杖作りに来ました……って、担当者さんが何やら戦闘体勢なんですけど? いやいや、泥棒じゃないよ? ちゃんとMages Guild(メイジギルド)の人間で大学入ったばかりの人ですよ?


「お前もこいつの仲間か! 丁度良い死体がまた増えたな!」



 は?





 よく分からんが、とりあえずあいつは敵らしい。そんでもってそこで寝てると思われた担当者は、実はすでにお亡くなりになっていたらしい。紛らわしいなぁ。





 オオカミほどじゃないが、こいつもそれほど大した敵じゃなかったな。ところでこいつ、一体何者だったんだ? 調べようと思ったが、暗くてよく分からん。





 松明に人を灯した。ふむ、ウチの持ってる真っ黒ローブにそっくりだが、ウチのローブにはこんな変な模様は付いてないぞ。何かドクロマークのようにも見えるけれど……海賊?





 それ以外は特に身を示すようなものは無かった。Raminus(ラミナス)には適当に、悪いヤツに襲われてましたと伝えようか。

 こっちの担当者っぽいKhajiit(カジート)が鍵を持っていたので、念のために持っていこう。確かもう1人の担当者が居るはずなので、そっちに会いに行かないとな。





 調べ物が終わったので、松明を消して先に進んでみると、また真っ黒ローブのヤツが居た。騒がれても面倒だな。





 はい、終了。






「おい、何かあったか?」



 おっと、向こうにも1人居たか。





 はいはい、何もありませんでしたよっと。





 また居たので、こいつもサクサクと。





 洞窟の中には、これ以上の敵も、担当者の姿もなかったな。この扉の先は外に繋がっているようだが……あ、鍵がかかってる。おそらく最初の担当者が持っていた鍵で開けられるはず……よし。





 鍵を開けて外に出ると、今まさに担当者が殺されたところに出くわした。






「あら、まだ居たのね。私のために踊るのよ、お人形さん。お前の死体を躍らせて、ばらばらに引き裂いてやるわ!」



 うわあ、何と言う三流文句。こいつは間違いなくザコ。





 問答無用で瞬殺。しかし敵はまだ2人残っていた。






「つっ!」



 なんだこりゃ……力が抜けるが……ああ、Damage Fatigue(ダメージ:スタミナ)の魔法か。武器を振るう戦士なら効果的かもしれんが、魔法使いにはなぁ。と言ってる矢先にもう1人も終了。






「あたたっ! ……くぅ~っ、痺れたぁ」



 さらにもう1人も終了。相手の雷魔法と相打ちになった形だが、魔法1発分の威力が違う。いろんな魔法を使って相手を弱らせるのも一つの戦い方だが、ウチの場合は一撃必殺。1発で仕留められるなら、他の魔法で弱らせる必要なんかないからな。問題はMagicka(マジカ)が少なくて何発も打てないってところだけども。





 とにかくそんなわけであっさりと敵を仕留め終わったわけだ。もっとも、この担当者が抵抗してダメージを受けていたから、ウチが楽に倒せたのかもしれないのだが……。

 しかしこの敵さん方、揃いも揃って同じローブだな。まるで皇帝を暗殺した連中みたいに統一感のある形だが……。それじゃこいつらもローブ持っていきゃ、身元が分かるかな?





 ふぅ、やれやれ。死体から服を脱がすのってかなり疲れるな。だからウチは、野盗たちの戦利品は武器だけだと決めているんだよ。毎回毎回、死体から防具を取り外すなんて、面倒以外の何物でも無いからな。





 ところで担当者が2人ともお亡くなりになってしまったわけだが、肝心の杖作りはどうしようか? 一応あそこにそれっぽいのがあるけれど……。





 お、あったあった。本当は適当な木を選んで、そこから杖を作るって言われていたんだけれどもな。まぁ事情が事情だし、今回はすでに出来上がってる杖を貰っていくとしよう。まぁ出来上がっているとは言っても、まだ何もEnchant(魔力付加)されていないただの棒切れなんだけれど。





 さて、それじゃ帰るとするか。ここからThe Arcane University(魔術大学)の屋根が見えるわけだが……。





 辺りの風景を確認したが、どうやらここは湖の上の小島のようだ。まっすぐ行くのが一番の近道だな。それじゃまずここから岸まで下りて……おっとあぶね。





 ふぅ、結構高さがあったな。途中で足を滑らせたときはびっくりしたけども……そして問題は、この小島の周りには浅瀬が無いということなんだが。





 それじゃこの魔法でも使ってみようか。これも以前に購入した魔法のうちの1つだったんだが、今まで使い道がなかったんだ。どれどれ……?





 ヒャッハー! こいつは良いぜ! そうかそうか、足が水に沈む前に次の足を出せばいいんだな。実際にやってみたらそんなに難しいことじゃないな!

 ……って、そんなわけないだろ。





 水上歩行とはいえ、走れば水が跳ねるし、靴の中に水が入ってくるし……。普通に浅瀬を歩いているのとあまり変わらない感覚だったな。

























「これは、Necromancer(死霊術師)のローブ! 一体どこでこれを?」






 大学に戻ってきたウチは、Raminus(ラミナス)に洞窟で会ったことを話した。担当者が襲われて亡くなっていたこと。このローブを着ていた連中……彼の話だとNecromancer(死霊術師)らしいが、そいつらが襲ってきたこと。ついでに、未完成の杖を拝借してきたことも。






「Eletta(エレッタ)とZahrasha(ザラーシャ)が死んだ? 信じられん! これまでNecromancer(死霊術師)たちが、これほど大胆な行動に出たことはなかった。常にギルドと距離を保ち、影に隠れていたのに。どうしてこんな真似を……この件については、評議会で話し合う必要があるな。知らせてくれてありがとう」

「ウチもその評議会に出なきゃならんのかい?」

「いや、君は自分の杖作りに取り掛かってくれ。Chironasium(カイロナジウム)にいるDelmar(デルマール)が、君の杖作りを手伝ってくれる手はずになっている」



 Chironasium(カイロナジウム)ってぇと、Enchant(魔力付加)する部屋だったな。ウチ的に言うなら6番の部屋だ。

 Raminus(ラミナス)はそのことを告げると、脇にあった光る床に乗ると、一瞬にしてその姿を消した。ほほう、これが聞いていたPortal(ポータル)だな。行き先は固定化されているという話だったから、おそらくこのPortal(ポータル)の行き先は、先ほどの話にあった"評議会"とやらに繋がっているんだろう。ウチが行く必要は無いと言っていたし、さっさと杖作りを済ませてしまいたいし、このPortal(ポータル)について調べるのはまた今度にしよう。





 おいっす、杖作りに来たよ。


「おお、どう思っていようが、これは君にとって大きな一歩だ」



 実用品ではないが、自分のシンボルというヤツだろ。話は聞いてるよ。


「では、どんな効果の杖にするか、君に決めてもらおう。杖のEnchant(魔力付加)は手間のかかる作業でね。君が真に必要とする呪文を見極めるために、徐々に範囲を狭めていこう」







「では、授業開始だ。破壊魔法、幻惑魔法、神秘魔法。君の一番の好みは?」



 早速かい。面倒なんで、簡単に話を聞いたところ、Enchant(魔力付加)して作られる杖の種類は以下の通り。さて、どんな杖にしようかなぁっと。

1.破壊魔法
  炎:炎の弾を飛ばせる杖。今ウチが使ってるのと同じ物。
  氷:氷の弾を飛ばせる杖。
  雷:雷の(略

2.幻惑魔法
  魅了:相手を魅了して友好的にする。Bravil(ブラヴィル)で取り返した杖と同じ。
  沈黙:敵の魔法を封じる。
  麻痺:敵を一瞬だけ痺れさせて動けないようにさせる。

3.神秘魔法
  魂縛:Soul Trap(ソウル・トラップ)。敵の魂をSoul Gem(ソウル・ジェム)に込めることが出来る。
  念動:Telekinesis(テレキネシス)。遠くの物を触れずに動かすことが出来る。
  解呪:Dispel(ディスペル)。相手にかかった魔法を解くことが出来る。



「よし、作業にかかるとしよう。明日また来てくれ、君の杖を用意しておくよ」



 杖が完成するには1日かかるらしい。ん? ウチが何の効果の杖にしたのかって? それは明日のお楽しみってことで。


「ところで、昨日君あてに荷物が届いていたようだけど、もう受け取ったかい?」



 なんだと。そいつは初耳だ。


「大学に届く荷物は全てRaminus(ラミナス)が管理しているはずだ。もしまだならRaminus(ラミナス)に聞いてみるといい」







「……という話なんだけど?」

「ああ、失礼。ギルド員がNecromancer(死霊術師)に襲われたなんて前代未聞の事件を聞いて、すっかり忘れていたんだ」

「なるほど。で、その荷物とやらは? そもそも誰が送ってきた物なの?」

「差出人はBlades(ブレイド)のグランドマスター、Jauffre(ジョフリ)となっている」

「へー、Jauffre(ジョフリ)から。何だろ?」
























「何だこりゃ」

「どう見ても女性ものの服にしか見えないが? そもそも、着てからその発言もどうかと思うが」



 Martin(マーティン)が着ていた服の色違いだな、こりゃ。しかもホットパンツじゃなくミニスカートになっていたり、微妙な変更がなされていたりするが……。


「こんなミニスカートを履けと?」

「いや、もう履いてるだろう?」

「・・・・・」

「・・・・・」



 差出人はJauffre(ジョフリ)だが、中身はMartin(マーティン)の物。何か隠されたメッセージでも込められているのか? Raminus(ラミナス)に確認したが、送られてきたのはこれだけで、手紙などは入っていなかったそうだ。


「それと、今朝方Blades(ブレイド)の者が君を訪ねに来ていたぞ。君に会いたいとの事で、Elven Gardens District(エルフガーデン地区)の宿屋で待っているとの事だ」







「・・・・・」



 ……パンチラ生活、再び。





 おまけにこの服、見た目の割に丈夫に作られすぎだろう。鋼線入りの衣装なんて聞いたことが無いぞ? まぁ防具として役に立つんだろうけど……ただ動きが鈍くなるのは仕方ないな。おそらく魔法効果に影響が出ると思われる。しかしこのごろ戦闘続きだし、今後も危ない仕事が増えることを考えると、重い防具を着ることに比べりゃマシかもしれんがな。





 ミニスカの話はこのぐらいで良いだろう。Elven Gardens District(エルフガーデン地区)の宿屋でBlades(ブレイド)が待ってるとか言っていたな。Elven Gardens District(エルフガーデン地区)というと、Imperial City(インペリアル・シティ)の北西部にあたる場所だ。





 今まで全く寄る機会すらなかった場所だが、一応これでImperial City(インペリアル・シティ)の全地区に行ったことになるわけか。あ、すいません、宿屋ってどこ?





 すぐ先の十字路の角だった。看板にもあるように、丸に三日月に星空。これが宿屋の代表的なマークだ。ところでここで待ってるBlades(ブレイド)って一体誰だろう? ウチの知ってるヤツかな? 今朝あった金髪の女の子とかかな?





 扉を開けて一言。オッサン率高ぇな、おい。可愛い女の子じゃなくて残念だが気を取り直して、誰がBlades(ブレイド)かな? とりあえずカウンターに陣取って、店主にでも聞いてみようか。






「座ってくれ。何も言わなくていい。ただ、私の言うことを聞くんだ」



 おっと、まさに座ろうとしたところで呼び止められた。同じカウンター席で酒を飲んでいた男がBlades(ブレイド)っぽいが……どこかで見かけたかな? 見覚えがあるような無いような……とにかく言われたとおり腰掛ける。


「私はこれから席を外してここを出る。後ろに居るあの男、奴が後をつけるはずだ。君は奴を尾行しろ」



 後ろの男ってぇと、向こうの席で本を読んでいた男だな。事情はよく分からんがおそらくスパイか何かだろう。今ここで詳しい話をするのは止めたほうがいいな。





 ウチがうなずくと、Blades(ブレイド)の男は店主に一声かけて宿の奥の部屋へと向かっていった。





 Blades(ブレイド)の男が居なくなるのを見計らったように、本を読んでいた男がその後をつけはじめた。そしてその男も同じく奥の部屋に入ったのを見計らって、今度はウチがその後をつけはじめる。





 奥の部屋は地下室か。順番に列を成して奥へと進んでいくが、突如本を読んでいた男がBlades(ブレイド)に襲い掛かった!





 あれは……あの姿は、暗殺者!?





 すかさず背後からの一撃で暗殺者を仕留める。あ、ところで仕留めて良かったのかな? 生かしといて話を聞くという手もあったかもしれない、と考えたのはすでにやっちゃった後だった。






「本来なら捕まえて話を聞き出したかったんだが、仕方がない。死体を調べてくれ。私は周囲を見張ろう。奴の仲間がまだ近くにいるかもしれない」



 あ、やっぱり捕まえる方向だったんだね。すまんすまん。

 死体を調べるね、はいはい……しかし地下室だけあって暗いな、ここ。






「ん、何かあった、何だこれは……」

「・・・・・。明かりぐらいつけても良かったんだぞ?」



 あ、そうなの? それを先に言ってよ。ランプなんて洒落た物は持ってないので、松明に火を灯した。どうやらさっきまでこの男が読んでいた本のようだな。


「本だな」

「よくやった。遅くなったが再会できて嬉しい。さっきは間が悪かった」



 いやいや……再会? あれ、やっぱりどこかで会っていたっけ?



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Author:ひなみこと
昔:セクハラ騎士
今:セクハラ(される)魔術士

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