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24日目 ~魂縛、石柱、謎解き~ (後編)




「本を借りて来たって? すごいじゃないか。今の彼女には、手を焼いていたと言うのに」



 そりゃ初対面の奴より顔見知りの方が愚痴りやすいだろう。Skaleel(スカリール)はそれでも愚痴ってきたが、もしDenel(デネル)が行っていたら余計に時間を費やしていただろうな。


「それじゃ説明しよう。君が碑文を読み上げ、私が翻訳する」

「うん、無理。読めない」

「え」



 え、じゃないよ。文字が読めないって言ったの。

 


 それからしばらくして、『石柱』に近付きたくないとゴネるDenel(デネル)をなだめて、何とか連れ出してきた。






「どう、分かった?」



 Denel(デネル)が碑文を読み、Denel(デネル)が翻訳する。ウチは松明を持つだけの簡単なお仕事です。






「この本によると、『命は炎から』と訳せるな。炎が答えか。他には?」



 碑文は全部で4ヶ所あった。もちろんすべてDenel(デネル)に訳してもらったわけだ。要約すると以下の通り。

1.Fire Damage(炎ダメージ)
2.Frost Damage(氷ダメージ)
3.Damage Magicka(ダメージ:マジカ)
4.Fortify Magicka(強化:マジカ)

 以上の順番で『石柱』に魔法を打ち込めばいいわけだ。……なんでこんな簡単なことが今まで分からなかったんだ、こいつら。原因はチームワークの悪さだと思うが……特にリーダー不在な点が。





 そしてここに来て、ウチの方にも問題発生。この4つの魔法のうち、一部覚えてない魔法があるんだ。覚えてないって事は使えないって事で、それはすなわち進めないっていう事だ。どうするよ?


「それなら私のチェストの中にいくつかScroll(スクロール)が入っている。それを使ってくれ」






 そいつはありがたい。さて、どんなのが入っているかな……ほう、イロイロ入ってるじゃないか。それじゃ遠慮なく頂いていこう。あ、すでに覚えてる魔法の分は必要ないからな。この程度の弱いScroll(スクロール)じゃ、売っても大した金にもならないし。

 ちなみに、ウチが覚えてなかった魔法というのは、4番のFortify Magicka(強化:マジカ)の魔法だ。他の3つは全て破壊魔法なのに対して、これだけ回復魔法に属するんだよ。そう、ウチが苦手としている回復魔法だ。





 それじゃ準備も整ったことだし、仕掛けを解いていこうじゃないか。まずは炎から!





 よしよし、動いたな。電撃の反応も来ないし、最初が炎で間違いなかったようだ。





 続いて氷の魔法だ。今まで使った事は無かったけど一応覚えていた魔法だ。使った事が無いのは、あまりにも見た目が地味だという些細な理由だ。





 さっきよりも動いてきたな。Skaleel(スカリール)が言っていた扉みたいなのも見えてきた。





 それじゃ3番目のDamage Magicka(ダメージ:マジカ)。これもほとんど使ったことが無い。なぜならMagicka(マジカ)を減らしてる暇があったらさっさと仕留めるようにしているからだ。





 よし、あと一息だな。ここまで来たのなら、上からよじ登ってもよさそうな気もするが、せっかくだから全部解除してしまおう。





 最後はFortify Magicka(強化:マジカ)の魔法だ。もちろん、一度Scroll(スクロール)から習得してからの魔法だ。





 おお、開いた開いた。『石柱』はゆっくりと外れていった。これでようやく先に進めるようになっただろう。これで一件落着かな。






「この先に何があるのか、誰かが調査する必要があるだろうな」

「調査は任せろー、バリバリ」

「俺は、君が適任だと思う。今までだって、難題を解決してきたんだから」

「何だと? いや、良いのか?」



 もし途中で転移の魔法に関わる情報を見つけりゃ儲けものだが、ウチみたいなド素人に任せても良いんだろうか? というかボケたんだから突っ込んでほしい……いや、なんでもない。


「良いと思うぞ。Skaleel(スカリール)も、調査よりも早く終わらせて帰りたいだろうしな。もし何らかの仕掛けを見つけたら、作動させてみてくれ。君なら大丈夫だろう」






 そうか? いや、やっても良いんならやっちゃうよ? 本当に良いの? じゃ、遠慮なく。





 念のため、松明を消してから扉を抜ける。『石柱』までのエリアの敵に関しては、大分前にSkaleel(スカリール)たちが掃除済みだったので問題は無かったのだが、ここから先は未捜索のエリアだ。念を入れていこう。





 若干Ghost(ゴースト)がうろついている程度だったな。残念ながらWeak Fireball(ファイアボール)の一撃で倒せたので出番はなしだ。





 狭い通路を進んでいくと広めのフロアに着いた。見た感じ、ここには何もなさそうだ。さっさと先に進もう……うおっ!?





 がくっと床が抜けるような感覚が起きたと思ったら、針山の罠があったようだ。隙間にギリギリはまったおかげで難を逃れたが……危ない危ない。ちゃんと周りに注意しながら進まないといけないな。





 しばらくすると勝手に床が戻ってきたので、あわてて後ろに下がった。なるほど、確かによく見たら床に穴が開いて待ち構えてあった。





 それじゃ端っこを歩いて、床が抜けないようにして……。


「ん、何だ今の音?」



 頭上で何かがぶつかる音がしたような……急いでこのフロアを抜けて通路に向かった。





 足元ばかり気にしていたので、天井の方にまで気が回らなかった。





 目を凝らしてよく見ると、『石柱』のフロアにあったような物が天井からぶら下がっていた。『石柱』のフロアではアレから電撃が放たれたが、どうやらアレは何らかの魔法装置みたいだ。床にも天井にも気をつけて進まないといけないのか、大変だな。





 さて、通路に逃げ込んだのは良いのだが、ここはすぐに行き止まりだった。しかしここまで一本道で、他に進むべき道は無い……ん? 床に何やら怪しい石組みがあるが……もしかして踏むと作動する罠か何かかな?


「踏まなきゃ道は無いな……えい!」






 大きな音を立てて、正面の壁が開いていく。





 ついでに左右の壁も開いた。そちらはGhost(ゴースト)さんが着替え中でした。お前らの生着替え見ても楽しくないから、Weak Fireball(ファイアボール)で綺麗に掃除してやるよ。





 壁の向こうに進むと、また同じようなフロアに着いた。ご丁寧に真ん中の床には血だまりがある。いかにも罠だな。さらにそちらに注視させておきながら、その四隅には例の魔法装置が待ち構えてある。





 しかし、こういう装置は足元が死角な事が多い。床に注意しながら柱の死角に隠れるように進めば……。





 ほら大丈夫……じゃなかった。





 冷気で頭を冷やしたところで、先に進もうか。何やら扉の先に血だまりがあるけれど……。





 ああ、ここも罠か。振り子の刃がギーコギーコと動いていた。こういうのはタイミングさえ誤らなければどうってことはない。






「あいたたた」



 ぶ、ぶつかってないよ! さっきの冷気ダメージを癒してるだけだよ!





 回復魔法を使っていたらGhost(ゴースト)がこちらに気づいたので、さっさと成仏させてやった。

 



 次のフロアは……お、今度はずいぶんと広いところに出てきたな。広間の中心には、何やら高台があるようだが。





 いかにも何かあります、と言わんばかりに明るくなっている。しかし罠のにおいがプンプンするぜ。





 問題は、あの高台への道が無いってところだな。あれだけ高いとよじ登るのも無理だろうし……もう少し周囲を調べてみるか。





 広間の奥にも何かありそうだ。あちらも高台になっているが、ちゃんと階段がある。あっちを調べてみようか。





 何やら装飾の施されたスイッチがあるぞ。罠っぽいが、これ以外には何も無かったからな。とりあえず押してみよう。罠だったら、その時はその時だ。











 どうやらこの階段のスイッチだったらしい。これであの高台に登れそうだな。あたりを注意しながら登っていくと……。





 さっきのスイッチのあった高台で、何かが怪しく光った。やっぱり罠か。





 階段の下では、いつの間にか現れたHeadless Zombie(首なしゾンビ)がうろついていた。ここに登るとこいつらが現れるって仕掛けか。しかしウロウロしているだけでこちらに登ってこなさそうなので、安心して狙い撃ち出来る。罠にしちゃ、ずいぶんズサンだな。





 下のHeadless Zombie(首なしゾンビ)たちを始末し終え、安全を確認した後、この高台を調べることにした。とはいっても、丁度目の前にさっきと同じようなスイッチを発見したところだが。これも何かの仕掛けを動かすスイッチだろうな。遠慮なく押させてもらう。











 ほう。これを隠すカゴを動かす為のスイッチだったわけか。これだけご丁寧な仕掛けを施しているんだ、この……何か兜っぽいのは価値があるんだろう。こいつを持って帰れば良いのかな?





 兜を取ったら別な罠が動くかと思ったが、そんなことは無かったんだぜ。それじゃ、向こうの高台の怪しい光の正体を確認しようか。





 ほうほう、Skeleton(スケルトン)のようだな。でっかい斧を持っているあたり、それなりの強さはありそうだけれども。





 じゃあこいつは、まともに相手してやろうじゃないか。もっとも、Flame Atronach(炎のアトロナック)に半分以上任せるけれども。





 隙を見計らって、横からWeak Fireball(ファイアボール)。





 いやはや、結構タフだな、このSkeleton(スケルトン)。おとといNecromancer(死霊術師)の洞窟に居たヤツよりも強いんじゃなかろうか。





 それじゃトドメは、先ほど作成したSoul Trap(ソウル・トラップ)の複合魔法で仕留めさせてもらおうか。もちろん、魂を封じ込めるためだ。今頃使ったのは、決して使うのを忘れていたからじゃない。忘れていたわけじゃないからな。





 ごめんなさい、普通に忘れてました。アンデッドばかり出てくるので、よく効く炎魔法ばかり使っていたらすっかり忘れていたんだよ。でもまぁ、このボスっぽいSkeleton(スケルトン)の魂はしっかり頂いたから良しとしようじゃないか。





 そのあと広間を探索していると、入ってきた通路とは別の道があったので、そちらを進んでいるところ。





 進んで、行き止まりだと思ったら勝手に壁が崩れてきた。道が出来たのは良いが、失礼なヤツだ。





 この行き止まりだった場所の左右に、へんてこな像があったのだが……なんだろうな、こりゃ? まあ良いや。とりあえずこの宝箱を開けて、と。ん、何コレ?





 Ayleid(アイレイド)の遺跡には場違いな物があったのでサクッと回収。後で兜と一緒にSkaleel(スカリール)に見てもらおう。

 それじゃ崩れた壁から失礼して……あれ、ここ見た場所だな。





 やっぱり。Skaleel(スカリール)のいる広間と、Denel(デネル)のいる『石柱』のフロアとの間にある通路に繋がっていた。


「オッス。こっちだよ」







「え? どこから来たんだ? 俺はずっとここで待っていたんだが」

「隠し通路があったんでな。そっちから来たよ」

「そうか。奥で何か見つけたようだな。Skaleel(スカリール)に見せて指示を仰ぐといい」






 言われたとおりSkaleel(スカリール)のいる広間まで戻ってきた。


「よう。奥の掃除は完了したぜ」







「ご苦労様。後で私も奥に行ってみるわ。ところで、そこで何を手に入れたの?」

「分からんけど兜っぽい物があったぜ」

「確かに……センスはイマイチだけどこれは兜のようね。何にせよ重大な発見ね。Irlav(アーラヴ)へ届けて調べてもらいましょう」

「あいよ。それと、途中の宝箱からこんな物を見つけたんだけど」







「これは……カタナ? Blades(ブレイド)が持ってるという話は聞いたことがあるけれど、どうしてこんなところに?」

「だろ? やっぱりカタナだよな?」

「Cyrodiil(シロディール)にカタナが伝来したのは、Tamriel(タムリエル)の遥か東にあるAkaviri(アカヴィリ)からだという話よ。かつてTamriel(タムリエル)はAkaviri(アカヴィリ)からの侵攻を受け、北のSkyrim(スカイリム)まで侵略さてたことがある。けれどそれはAyleid(アイレイド)時代の遥か後のことだわ」

「ふーん、よく分からんが、誰かがここに来て置いてったんじゃね?」

「それはもっとありえないわね。このVahtacen(ヴァタセン)は、私たちMages Guild(メイジギルド)の調査隊が来るまではほとんど手付かずの状態だったのよ? 外の洞窟からここの広間に繋がる道も、私たちが壁を壊すまで誰も入ることが出来なかった場所なんですもの」



 うーん、経緯は知らないが、外部からこの遺跡の、しかもあの場所までやってきてカタナをしまっていくということは不可能だったって事か。


「"オーパーツ"というヤツかしらね」

「おー……なんだって?」

「オーパーツ。考古学上存在するはずの無い品って意味よ。実際はガセだったりすることが多いんだけれども……今回は全くの謎ね。調査員としては失格だろうけれど、悪いけどこれは見なかったことにして頂戴」



 は? どういうこと?


「こんな場違いな品を持っていったところで、大学の連中じゃ手に負えないってことよ。今までの価値観を根底から覆す品の発見って言うのは、既存の知識層の人間にとっては脅威のシロモノになりかねないわけ。下手な混乱を生むよりは、無かったことにした方が良いのよ」



 良いのかよ、それで。





 ただでさえ混沌とした時代に余計な混乱を生むな、って事で……良いのか? とにかくIrlav(アーラヴ)へは、この変てこな兜だけ渡すということにして、カタナはウチが貰うことなった。……本当に良いのか?

 ……と、いつまでも心配しても仕方ない。良いって事にして、今日はもうCheydinhal(チェイディンハル)に戻るとしようか。





 遺跡探索に結構時間かかったからな、すっかり暗くなって……え?





 丁度良くウチが降りてきた斜面に待ち構えているOblivion Gate(オブリビオン・ゲート)。さっき通ったときは無かったのにな。





 仕方ないので別の斜面を通って集落まで戻ってきた。集落の住人たちはすぐそばにゲートが開いたせいか、誰も外に出てきてない。





 まあウチの仕事は終わったことだし、あそこに行くことは二度と無いだろうからな。





 Cheydinhal(チェイディンハル)まで戻ってきた。後はMages Guild(メイジギルド)に帰って休むとするか。






「ああ、お帰りなさい。どうでした、遺跡調査は?」

「もう終わったよ。結構簡単だった」

「そうですか。肝心のSoul Trap(ソウル・トラップ)の方は順調ですか?」

「う……そっちは……1個だけ」



 何だよ、良いじゃないか、1個でも自分で取ったんだからさ。


「まあ良いでしょう。今日はゆっくり休んで、続きは明日の朝にしましょう」

「え、まだ何かやるの?」



 一体何をするんだろうな。Deetsan(ディートサン)は明日のお楽しみと言って教えてくれなかったが。





 とにかく今日はもう休もう。





 この部屋の主人は帰ってきそうに無いので、今晩はウチが使わせてもらおう。





 それじゃおやすみー。

 

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Author:ひなみこと
昔:セクハラ騎士
今:セクハラ(される)魔術士

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