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25日目 ~祭壇、生贄、暁の道~




「それじゃおさらいよ。Enchant(魔力付加)は術者が習得していて、なおかつ使用できる魔法を武具に付加させること。ここまでは良い?」

「ふゎ~あ……眠ぃ……」

「ちょっと、聞いてる?」



 朝早くからお勉強とは思わなかったな。Deetsan(ディートサン)が昨日言っていた続きとやらがこれなんだが、手っ取り早く説明すると昨日手に入れたSoul Gem(ソウル・ジェム)を使ってEnchant(魔力付加)しましょうってことらしい。


「基本的に武器には攻撃的な、防具には防御や能力上昇の魔法をEnchant(魔力付加)をするのがオススメね。能力上昇にも様々な方法があって……」



 やれやれ、長くなりそうだ。

 
 












































「なぜ貴様のようなヤツがRaven(レイヴン)様の連絡員になど選ばれたのだ!」

「そりゃあ決まってるだろ。日頃の行いってぇヤツだよ」

「たわけた事を抜かすな! わざわざマスターご自身がが説法をされるという貴重な日に出かけるのか!」

「ああ、そいつは勘違いだ。この日を選んだのは俺じゃねぇ、マスター自身だ。それに自分の息子からの連絡が来ないんだ、少しでも早く状況を知りてぇってのが親心じゃねぇのか?」

「話を摩り替えるな! それに何だその姿は!? Mythic dawn(神話の暁)の信者ならば、この暁のローブを着るべきだろう!」

「おいおい冗談きついぜ。皇帝の犬が信者狩りを始めてるってのに、わざわざ目立つ格好をする馬鹿は居ねぇだろ。そんな格好じゃ皇帝の隠し子すら怪しんで避けて通るぜ」

「ぐっ……貴様、あの件をまだ根に持っているのか」

「何のことだ? わざわざ集団で待ち構えて獲物を取り逃すようなヤツの事なんか知らねぇぜ? もっとも、俺がマスターならそんな下手ぁ打つようなヤツを、自分の息子の連絡員になんかしないけどな」

「貴様ぁ! 私を愚弄する気か!」







「なぁに言ってやがる。俺が口を利いてやったからこそ、説法の準備役程度で済んだんだろう。これを気に、マスターにたっぷりゴマをすっておけよ?」

「くっ……」

「ところで、俺の斧は返してくれねぇのかい? 短剣1本じゃあ心もとないぜ」

「……最近の離脱者防止のための措置だ。貴様のようなヤツでも抜けられると困るのでな。この措置についてはマスターからの賛意も頂いた。それに貴様の腕ならBlades(ブレイド)ごとき敵ではないだろう」

「なるほど、逃げないための"質"ってわけか。気に食わねぇがマスターの意向に背くわけにゃあいかんからな。まぁ安心しな、向こうで何か分かったら連絡してやっからよ」













































 やれやれ、Enchant(魔力付加)ひとつに1時間もかけるとはな。Deetsan(ディートサン)の授業は長くていかん。





 今日はこれから、Cheydinhal(チェイディンハル)の北にあるLake Arrius(アリウス湖)付近の捜索だな。その湖の側にある洞窟が、Mythic dawn(神話の暁)のアジトらしい。

 Lake Arrius(アリウス湖)に行くには、Cheydinhal(チェイディンハル)の東から出たあと北上するそうだ。地図で見た限りじゃ、西から出て北上したほうが早そうなのだが、そっちのルートは道が無いらしい。





 この分岐道を西に向かうらしいな。一匹オオカミがじゃまをしているようだが……。





 お前の魂も頂こうか!





 よしよし。この魔法、普通の雷魔法として使うのにも申し分ないな。





 どれどれ、一匹オオカミの魂の大きさは……小か。まぁそんなもんだろう。





 ところで、さっき魔法を使ったときに、いつもと指輪が違うことに気がついただろうか? さっきのEnchant(魔力付加)で作った新しい指輪に替えたのだ。以前Martin(マーティン)から貰った指輪よりも良い出来だ。





 Soul Gem(ソウル・ジェム)を集めても、ウチはあまりEnchant(魔力付加)武器を使わないからなぁ。武器の魔力を使わない以上、Charge(チャージ)目的に使うことも無いだろうし、売るにしても大した金にならない。むしろ買ったときの差額でマイナスになるだろう。気が向いたときに新たなEnchant(魔力付加)装備でも作る程度か。





 おっと、久々に野盗のお出ましか。人間相手にはDrain Health(ドレイン:体力)で仕留めていったほうが手っ取り早い。





 この通り、敵じゃない……おや、まだ上に誰かいたのか。というか戦っている?





 どうやら別の冒険者とたまたま同時に通りがかったようだ。なんとツイてない野盗だろうか。





 さっきの冒険者に尋ねると、ここから北上するとすぐLake Arrius(アリウス湖)だということだ。さっそく向かってみると……。





 またクマか。しかも別の冒険者が戦闘中だったので、ちょいと加勢してやるか。ウチのFlame Atronach(炎のアトロナック)がな。





 お、丁度弱っていたところだったらしく、あっさりと決着がついた。クマさん、もんどりうって湖に落ちてった。





 さて、この湖の付近に洞窟があるって話だったな。探してみよう。





 なんか今朝はずいぶん冒険者と多く出会うなぁ。このあたりって何かの良い狩場なんだろうか。





 湖の周囲をしばらく捜索していると、ちょいと登ったあたりでそれらしい洞窟を見つけた。ここがMythic dawn(神話の暁)のアジトだろうか。





 アジトだった。というかめっちゃ門番らしきヤツが見てるんだけど。





 でも襲ってくる様子も無い。あれか、入信希望者だと勘違いしてるのか? それだったらその方がやりやすいかも。






「ようこそ、同志よ。時は満ちようとしているが、マスターはまだ献身的な者の手を求めておいでだ」



 よし、どうやらそのようだ。Imperial City(インペリアル・シティ)の下水道で、後援者を名乗る信者たちを倒してたから警戒してるかと思ったのだが……そんなことはなかったようだ。


「聖域に向かうがいい。Harrow(ハロウ)がマスターの元まで案内する。そこでお前はDagon(デイゴン)神にお仕えするための入信の儀を受けるのだ」



 Harrow(ハロウ)? 案内者はご挨拶? 何だそりゃ?


「ぐずぐずするな。雌伏の時は終わろうとしている。浄化の時は近い」






 浄化? ああ、はいはい。破壊活動の事ね。門番は扉の鍵を開けて、ウチに中に入るよう促した。





 さて、案内者が居るという話だったが……お、来た来た。このまま入信者のフリを続ければ、楽に内部に入れそうだな。






「私はHarrow(ハロウ)、Dagon(デイゴン)神殿の番人だ」



 彼がこんにちは。じゃなかった、案内人か。


「マスターであるMankar Camoran(マンカー・カモラン)の書物に隠された"暁の道"に従うことで、お前は選ばれし者の中に場所を得た。良いときに来たな。お前は光栄にも、マスターご自身の手で入信の儀を受けられるだろう」



 ほう、どうやら親玉は中に居るらしい。そいつは好都合だ。それじゃそこまで案内してもらって、親玉ぶっ飛ばした後、Amulet of Kings(王者のアミュレット)を取り返せばそれで万事解決じゃないか。


「Mythic dawn(神話の暁)教団の一員となれば、必要なものは全てマスターが施してくださる」



 うんうん分かったから、さっさと案内しておくれ。






「荷物を差し出し、この入信のローブに着替えるのだ」

「え?」



 なになに、こんなところで生着替え? なんという変態……いや、それよりも荷物を差し出せって……。


「必要なものは全てマスターが用意される。入信者に必要なのは今までの自分を捨て去り、新たな自分に生まれ変わることなのだ」



 いやいや、十分胡散臭いから、あんたら。あれだろ、いわゆる一種のお布施みたいなものだろ、これって。


「何をためらう必要がある。はるばるここまで来た選ばれし者だ、悩む必要など無かろう」



 いや……実は昨日から荷物の整理をしてなくてさ……昨日Vahtacen(ヴァタセン)遺跡で見つけた変な兜、まだ手元にあるんだよね。いやぁ参った参った。あっはっは。


「お断りだね」

「何だと? これは警告だ。Dagon(デイゴン)神にお仕えする者しか……」







「くどい」



 長々と説明した割に、1発でご退場。さようならこんにちは……じゃなかった、案内人。





 警備の門番もあっさり仕留めて、持っていた鍵を奪い取る。ちょっと予定とは変わったけど、これはこれで良しってことで。





 いやあ、ちゃんと荷物を整理してからここに来れば良かったんだけどな。朝から授業受けてたのと、荷物整理の箱がMages Guild(メイジギルド)の入り口にあって死角になっていたりと、いろんな要素が絡んでてさ。単なる言い訳だけど。





 おっと、見回りかな。この暗さなら身を隠しておけば見つかることは無さそうだ。





 どうやら見張りの交代だったようだ。こりゃ注意して進まんとな……。


「そこに居るのは誰だ!」



 げ、ちょっと明るいところに出すぎたか。





 うわちちち!

 こいつら、炎のEnchant(魔力付加)武器持ってるのか。厄介な連中だな。最も、こっちのDrain Health(ドレイン:体力)で1発だが。





 ふぅ、いかんいかん、気をつけて進まんとな……って、交代の見張りが現れた扉が開きっぱなし。しかもその奥には別の見張りが居たようだ。





 幸いにして気づかれなかったようだから、さっさと仕留めておこう……。


「どうした!」

「何だ今の音は!?」



 え。





 脇道からさらに信者追加。くっそぉ、バレてばっかりじゃないか。だが1発で仕留めていけば問題ない……。





 たまに相打ちもあるけどな!





 いちちちち。幸い雷魔法に抵抗のある指輪を持っていたからいいものの……痛いものは痛い。





 追加信者の来た脇道を確認して……もう居ないかな?





 奥には何やら石像がライトアップされていた。





 腕が4本の魔人ってところか。これが連中の信仰するDagon(デイゴン)とか言うヤツかな。





 さっきの脇道にはそれぐらいしかなかったな。あとは棒立ちしてたこの番人のいる扉か、このまままっすぐ進むという道の2つ。まぁ番人がいるぐらいだからここが本命だろうが、あえてこのまままっすぐ進むぜ。





 本命を進んでる最中に挟み撃ちにあったらたまらんからな。何かあったときのために退路はしっかり確保しておかねば。

 そんなわけでまっすぐ進んだ先には鍵のかかった扉。ああ、鍵はサックリと開けてやったぜ。うん、ウチなりにサックリとな。





 扉の先は、どうやら物置か倉庫か……とにかく荷物置き場になっているようだ。何だろうな、ここは。とにかく乱雑に樽や木箱が置かれている。いくつか開けてみたが統一感が無い。安い服だったり雑貨だったり……。





 その中でもひと際目を引いたのがこちら。どう見ても斧だな。しかも結構立派な斧だ。他にも何か目ぼしい物が無いかと探してみたが、正直ショボイのしかなかった。中身からして宝物庫というには無価値なものが多い。かといってただの物置にしちゃ、わざわざ扉に鍵をかけておく必要はないよな……。

 あ、もしかして入信者が没収された道具か? さっきの案内人とやらも、荷物は全部渡せみたいなことを言っていたし……。おおかた入信者の中に金持ちでも居たんだろう。お馬鹿な金持ちには悪いが、遠慮なく頂いていくぜ。





 入信者の荷物部屋を後にして、さっきの棒立ち番人の扉まで戻ってきた。ここも鍵がかかっているが、ここは最初の門番が持っていた鍵で開けられた。





 お、予想通り本命っぽい雰囲気だな。崖の向こうに見えるたくさんのかがり火のあたりから、複数の人の声が聞こえる。ちょっと覗いてみるか。






「竜の玉座に座る者はなく、Amulet of Kings(王者のアミュレット)は我らの手中にある!」



 何だ? 演説か何かか? 祭壇の上に立ってる奴が喋っているようだけれども。






「これよりDagon(デイゴン)神の御言葉を授ける」



 そういや案内人が、中にマスターが居るようなことを言っていたな。






「『我が今一度大地を踏むとき、汝ら信仰篤き者は報われるであろう。汝らは全ての人間の頂点に立つのだ』」



 ということは、アイツがナンダー・カンダカ……じゃなかった、Mankar Camoran(マンカー・カモラン)か……おや?






「『汝ら以外の者については、弱き者は淘汰され、臆する者は目を覆い、強き者は我が足元にひれ伏し、許しを請うだろう』」



 あの首飾りは……そう、Amulet of Kings(王者のアミュレット)だな。ご丁寧に親玉本人が身に着けているとは好都合だ。






「同志諸君、そなたらの報われんことを! 浄化の時は近い。これより、私は楽園へ向かう。暁が迫るとき、私はDagon(デイゴン)神と共に舞い戻るであろう!」



 お、あいつはどこかに行くようだ。それならこっそりアイツの後を尾けて、頃合を見計らおうか。





 動き出したな。それじゃこっちも後を尾ける……うん? 何だ、あの火は?





 な、何だあれは!? いきなり祭壇の上に火の玉が出てきやがったぞ!?





 そして火の玉が消えると同時に、Mankar Camoran(マンカー・カモラン)の姿も消えた。

 なんだったんだ、今のは? ウチのと同じExtrication(緊急離脱)の魔法か? いや、あの魔法はあんな火の玉が出るようなヤツじゃなかったはずだ……。じゃあ別の……"転移"の魔法ってことか?





 くそっ! 上手く逃げられちまったな。こいつは参った……って、演説も終わったから、信者たちがゾロゾロと戻り始めたな。





 戻るって言うのは、つまりウチが居るこっちにって事だ。悪ぃがここは先手を取らせてもらうぜ。





 ったく、これなら乱戦覚悟でMankar Camoran(マンカー・カモラン)を狙っておけば良かったな。今更言っても後の祭りだけどよ! 親玉を仕留められなかった分、お前ら兵隊の数だけでも減らしておかんとな!





 とは言っても、さすがに連発出来るほどのMagicka(マジカ)は無いからな。上手く立ち回ってるつもりのヤツを崖下に蹴り落としてやる。





 あいよ! 残ったのは教祖の側付きだったお前さんだけだぜ!





 はい、ウチまで届かず! ご苦労さん!

 相変わらずDrain Health(ドレイン:体力)は頼りになる魔法だな。相手の体力次第では全く無価値になるときもあるけど、並の人間相手ならほとんどの連中が一撃死だもんな。そしてMythic dawn(神話の暁)の信者連中は戦闘員も含めて、その"ほとんどの連中"に該当するわけだ。大量に押しかけられない限り、負ける気がしないぜ。





 この側付きの姉ちゃん、なかなか良い杖を持っていたな。ウチが使ってきた杖よりも優れているから、次からこっちで行こうか。……まぁ今までの杖もほとんど使わずに来たんだけどな。





 しかし喜ぶ余裕は無いなぁ。親玉まであとわずかというところまで来たのに、結果的に取り逃しちまったんだからな。何か祭壇の辺りに、次に繋がるような情報とか無いか探してみるか。楽園がどうたらとか言っていたけども……。

 あれはさっき見たDagon(デイゴン)の像の巨大バージョンか。……像の足元に何か寝っ転がってるぞ?






「おい、こんなところで何寝てるんだおっさん。ちょっと話を聞かせてもらおうか?」



 石段の上で寝っ転がっていたのは、Argonian(アルゴニアン)の男だった。見た目トカゲなのに男だとわかったのは、そのArgonian(アルゴニアン)が全裸で寝っ転がっていたからだ。






「ひいっ! 助けてくれっ!」

「あ、おい!」



 何だありゃ? いきなり逃げていきやがった。信者じゃなかったのか? というか何故に全裸?





 全裸トカゲは足が速くて追いつけそうにないが、この祭壇で珍しい本を見つけた。






「ほうほう……なるほど……」



 うん、さっぱり読めん。だがこの中心に描かれた図は見たことがある。あのOblivion Gate(オブリビオン・ゲート)だ。上下逆さまになっているが、地面から突き出た二本のツノと中心の石―Sigil Stone(シジル・ストーン)とか言ったっけ?―。おそらくこの本は、Oblivion Gate(オブリビオン・ゲート)に関する本じゃないかと思われる。多分な、多分。文字読めないから断言は出来ん。





 それじゃこの本を持って、誰かに見てもらうか。そうだな、一応Jauffre(ジョフリ)に「ごめんね、てへっ」って伝えてから大学に行って、Tar-Meena(ター=ミーナ)にでも調べてもらおう。

 って、何か後ろがうるさい……?





 おおっ、なんだこりゃ!? Dagon(デイゴン)の巨大像がバラバラに崩れ落ちてきやがったぞ! Dagon(デイゴン)バラバラ殺人事件発生か! あ、でも一応神様だから"殺人"ってのはおかしいのか? まぁ、とにかくバラバラ。あの全裸トカゲ、命拾いしたな。






「戻れん……」



 石像バラバラ殺人事件の現場を後にして、さあ戻ろうとしたら檻が降りてきて通れないでやんの。どうすんのこれ?





 イロイロ探し回ったら、他の通路を見つけたのでそっちを通ることにした……って、全裸トカゲが走って逃げているところに出くわした。おい、ちょっと待てお前。





 待てと言われて待つヤツが……居た。しかも引き返していった。おいおい、待つだけで良いんだぞ?





 あ、なるほど。敵に見つかったので引き返したというわけか。というか敵を連れてくるなよ、お前。





 こりゃ全裸トカゲに話を聞く前に、敵の始末をしていかないとならんようだ。





 どうやらこの先にも信者が居るようだから、さっさと終わらせてしまおう。





 背後からでも遠慮せず。





 たまには反撃も受けつつ。





 ここはまた別の祭壇みたいだが……って、こら全裸トカゲ! 逃げる気持ちは分かるが、勝手に突っ込むんじゃない!





 そしてまたこのパターンか。しかも信者盛りだくさん。全裸トカゲはやっぱり踵(きびす)を返して逃げていきやがった。





 こんにゃろめ、遠慮はしないからな!





 ふぅ、しばらくドタバタやっていたせいか、全裸トカゲは姿を見せなくなったな。勝手に逃げ回っても困るが、居なけりゃ居ないで困るんだよな。今までの行動から、全裸トカゲはMythic dawn(神話の暁)の信者ではないようだし、どうしてあんなところで寝っ転がっていたのか聞いておかんとならん。もしかしたら何か情報を持っているかもしれないしな。





 うおっとぉ! 扉を開けたすぐ側に居やがった! ウチもビックリしたが信者もビックリしてやがった。まったくもう。





 ここも何かの部屋のようだが……お、何か怪しいハンドルを見つけた。とりあえず動かしてみよう。





 おお、部屋の奥の壁が動いて向こう側に繋がっていた……。





 はいゴメンよー。





 ふーん。ここは最初のところだな。門番が居た場所だ。ぐるりと回って入り口まで戻ってきちまったのか。





 さて困ったぞ。アミュレットは取り返せずじまいだし、手がかりになるのはあの本だけだったし……。あれ?





 あれは全裸トカゲじゃないか。途中から見えなくなったと思ったら既に外に出ていたのか。ウチが通ったルートとは別な道でもあったのかな? とにかく話を聞こうか。


「おい、おっさん。大丈夫か?」







「ああ、助けてくれてありがとう。誰かは存じませんが、Akatosh(アカトシュ)があなたを導いてくれるでしょう」

「単なる成り行きだよ。ところでおっさんは何であんなところに居たんだ?」

「私はImperial City(インペリアル・シティ)のTemple of the One(最高神の神殿)で僧侶をしております。もしかしたら、再会する日がくるかもしれませんね。ええと、あの場所に居た件ですが詳しく覚えていません。神殿に居たときに突然襲われ、気づいたらあの場所に居ました」

「襲われてさらわれた理由に心当たりは?」

「分かりません。あるとしたら私がArgonian(アルゴニアン)だということぐらいしか……。Argonian(アルゴニアン)は毒を防ぐ体質なので、心無い邪教の生贄に選ばれやすいという話を耳にしたことがあります」






 ふむ、嘘はついてない様だが……とりあえず隠すものだけは隠しておけよ? それにしても手がかりなしか。





 とりあえず一度アジトに戻ってきた。全裸トカゲが通ってきたというルートを探すのと、何か見過ごしが無かったか確認するためだ。全裸トカゲに急かされたせいで、探索はほとんど出来ていなかったからな。途中で他の祭壇っぽい部屋もあったし、何か重要な物があったかもしれない。





 無かった。Mankar Camoran(マンカー・カモラン)が演説していた祭壇まで戻って調べたが、手がかりらしいものは何も無かった。無駄足か、ちくしょう。





 仕方ない。あの本だけしか手がかりになりそうなものが無いが、これを誰かに調べてもらって……あん? あれは全裸トカゲだな。急いで戻ってきてどうした……。





 ってぇ、またこのパターンかよ! しかもOblivion Gate(オブリビオン・ゲート)まで開いているじゃねぇか!





 まったく……。敵を引き連れて戻ってくるのと、朝は無かったのに帰りにはOblivion Gate(オブリビオン・ゲート)が待ち構えているってのと……。帰りにゲートがあるってのも、最近パターン化してきたんじゃないだろうか。





 それで、えっと……今のDaedra(ディードラ)トカゲは、魂の大きさが中のようだ。一匹オオカミ以上、強いSkeleton(スケルトン)と同じってところか。





 成り行きとはいえ、一度助けたヤツが犠牲になるのを黙ってみてるほど心無い人間じゃないからな、ウチは。Cheydinhal(チェイディンハル)の街に着くまでは一緒に行ってやるよ。あ、でも誰かに会ったら他人の振りするからよろしく。





 その後は何事も無かったので、街に入る前に全裸トカゲと別れた。全裸のトカゲと一緒に歩いているのを見られたら……ねぇ? 何かとまずいものがあるだろうし。





 とにかくそういうわけで、さっさとCheydinhal(チェイディンハル)を後にするのだった。日が暮れようとしているけれど、Cloud Ruler Temple(クラウドルーラー神殿)に戻ってJauffre(ジョフリ)に報告してやろう。

















































「本当に彼女1人を行かせるだけで良かったのでしょうか?」







「Baurus(バウルス)、彼女のことなら心配いらないよ。私とKvatch(クヴァッチ)を救ってくれた英雄だ。Oblivion Gate(オブリビオン・ゲート)に突入することに比べれば、相手はMythic dawn(神話の暁)という名で集まった、ただの人間にしか過ぎない」







(・・・・・。ただの人間だからこそ、時には脅威にも成り得るのです)







「異常は無いか?」

「はっ、グランドマスター。異常ありません」

「そうか。……このCloud Ruler Temple(クラウドルーラー神殿)であれば、例え敵から襲撃を受けても十分耐えられる。だが決して気を緩めてはならんぞ」

「分かっております」







「待ってください! 誰か近付いてきます! あれは……戻ってきました! Hero of Kvatch(クヴァッチの英雄)が戻ってきました!」






 ふぃーっ、走った走った。Cheydinhal(チェイディンハル)から一気にここまで駆けてきたよ。


「Bruma(ブルーマ)に馬を泊めずに来たとは、よっぽど急いできたのだな。アミュレットはどうだった?」

「悪ぃ、逃げられた」

「な……。そうか。何か良い知らせはないのか?」

「あー、それなんだけど……よっと」

「本?」



 Mankar Camoran(マンカー・カモラン)の祭壇にあったあの本をJauffre(ジョフリ)に見せた。






「ふむ……異国の文字のようだが」

「異国の文字?」

「ああそうか、君は確か……。そう、Tamriel(タムリエル)で使われてる文字とは全く異なるものだ。……こういうのはMartin(マーティン)が詳しい。彼に見せてくれ」

「へぇ、Martin(マーティン)がねぇ」

「彼なら広間で読書中だろう。君が出発してからはほとんど睡眠をとっていないんだ」



 この前もずっと本を読んでいたな。あれからずっとか。





 馬は神殿の脇にある建物に泊めることにした。ここにいる他の馬は、Weynon Priory(ウェイノン修道院)からつれてきたのばかりだな。





 後ろに見える建物が馬小屋だ。しかし寒いところでなおかつ高地にあるここだと、飼葉とかどっから調達してるのかね?





 さて、Martin(マーティン)はどこかなっと……居た居た。






「……悪い知らせのようだな。アミュレットを取り戻せなかったのか?」

「ああ、すまんな。Mankar Camoran(マンカー・カモラン)が転移の魔法を使うとは思わなかったんでな」

「転移……ですか」

「でっかい火の玉みたいなのが現れてな。楽園に向かうとか何とか言っていたな。……でもそのかわり、アジトに居た連中はみんな片付けてきたよ。アジトが壊滅した以上、連中の行動に大きな支障がきたすのは間違いないだろうな」

「……そうですか。それで、何か本を持ってきたという話ですが」

「はいはい、これなんだけど……」

By the Nine!(ナインよ!) それは持っているだけでも危険なものだ!」



 え、あ、何? そ、そうなの? Martin(マーティン)が怒鳴るなんて初めてだからビックリしちゃったよ。


「いや、すまない。それを持ってきたのは正しい判断です。ですが、その本は私が預かります。私なら悪しき力から身を守る術をいくつか心得てますから」

「何、いわゆる呪いの本とかそういうの?」

「この本こそ『Mysterium Xarxes(ミステリウム・ザルクセス)』で間違いないでしょう。Mehrunes Dagon(メエルーン・デイゴン)自身が書き記したという曰くつきの本です」



 へぇ。






「Mankar Camoran(マンカー・カモラン)はこの本を使って楽園を創造したに違いない。この本を調べれば、そこへ至るゲートを開く方法も分かるはずだ。引き続き調べてみる」

「うんうん、それじゃよろしく……ん? ゲート?」

「あなたが見た"大きな火の玉"、おそらく一種のOblivion Gate(オブリビオン・ゲート)だと思われます。そして"楽園"というのも、Oblivion(オブリビオン)の世界の1つではないでしょうか」



 ふーん、よく分かんね。






「ところでさ、Oblivion Gate(オブリビオン・ゲート)って好きなところと繋ぐことが出来るのかね?」

「……出来るのではないでしょうか? 私がKvatch(クヴァッチ)に隠れていたから、彼らはKvatch(クヴァッチ)にOblivion Gate(オブリビオン・ゲート)を開いた。そう考えるのが妥当だと思いますよ」

「ああ……そうだったな」







「それじゃあさ、Oblivion Gate(オブリビオン・ゲート)でOblivion(オブリビオン)以外のところに繋ぐ事って出来ると思う?」

「それは……その……どうでしょう、私にはわかりません」

「……そっか」







「それで出来るんだったら解決なんだがなぁ……」






「・・・・・」

「……ふゎ~あ。今日は疲れちまったい。ウチはもう寝るぜ」

「はい、どうぞ。おやすみなさい」






 

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ひなみこと

Author:ひなみこと
昔:セクハラ騎士
今:セクハラ(される)魔術士

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